シリーズ企画「ひとり情シスを救いたい」ひとりで悩まないで④
中小企業でのデジタル化課題は騒がれておりますが複雑な人間関係、規模や業種、興味や方向性などの観点から簡単には解決出来にくい部分でもあります。
特に中小企業では人員、予算の関係で「ひとり情シス」に頼らざる得ない状況。そんな多くの現場を見て来た経験と自身の経験からシリーズ企画として「ひとり情シスを救いたい」と題して関係者へのアドバイスや応援内容を言語化してみます。
データを集める癖と使いこなす術を学びましょう
今回は「ビッグデータ」の活用に焦点を当てたお話です。デジタル化やPCの普及により、取得されるデータの量は過去のアナログ時代から大幅に増加し、膨大なボリュームになっています。
この中で、2つの重要な提言と提案があります。
本質的なデータ取得が進んでおり、ムダなデータ取得と適切に区別されているか?
取得したデータを分析したり、ビッグデータとして活用しているか?
デジタル化の恩恵により、データの保存は容易になり、バックアップや保管データも増加しています。しかし、これにより、紙の情報からデータサーバーなどに大量の文書が移され、情報管理が混乱している状況が生じています。このため、データ活用や分析のための理想的な状態とは程遠い状況に陥っている可能性があります。
これにはいくつかの理由が考えられます。
データの重要性や取得の意義を正しく理解していないこと。
データの保管に関するルールが整備されず、放置されていること。
実際のところ、このような状況を解決するには専門的な部署が必要です。データの選別や管理が行われなければ、結局はただの無駄なデータとして取り扱われ、二次利用が不可能な状態になる恐れがあります。
次に重要なのが、「データ活用」です。多くの企業でデータを収集することはできても、そのデータが活用されているかどうかは別の問題です。多くの場合、過去のデータを分析する時間がないという理由で、データが活用されていないという状況が見受けられます。しかし、実際のところ、時間の制約よりもデータ分析のスキルや技術の不足が原因であることが多いです。データ分析には高度なスキルや統計的手法が必要ですが、これらが欠如している場合、データの活用は困難です。
データの活用は、ビジネスにおいて重要な要素です。しかし、データを収集することだけが目的となっており、その活用方法や重要性が理解されていない場合、状況は厳しくなる可能性があります。そのため、データを活用するためには、データの収集だけでなく、適切な分析と活用方法を考えることが重要です。
データを収集し、活用することで、業務の効率化や問題の予測などが可能になります。ただし、そのためには手間と時間が必要です。Excelなどの簡単なツールを使用しても良いので、データの管理と活用を行うことが重要です。
時間の制約を理由にせずに、データの活用を考えることが重要です。データを活用することで、業務の効率化や問題解決につながる可能性があります。
重要なのは「システム思考」ではなく、「デジタル思考」です。
「システム思考よりデジタル思考」について、簡潔に解説します。
ビジネス課題について話し合う際に、短絡的な考え方で「システム化すれば解決する」という意見がよく出ます。これは一見正しいように思えますが、実は大きな誤りにつながることもあります。課題解決の目標を「システムで解決する」という目的と手段を混同してしまうのです。
多くの企業で見られるケースとして、表面的な課題を重要だと見なし、それを「システムで解決すべきだ」という短絡的な回答に至ることがあります。これは経験的な内容であり、課題が表面的であると誤解され、その背後にある本当の課題を見逃してしまうことが多いのです。
言い換えれば、課題を処理の流れや具体的なデータの流れなどに分解して整理することが必要です。この分解を「デジタル思考」と呼んでいます。
業務全体をアナログ思考で理解していても、細かく分解することで多くの内容が明らかになります。たとえば、難しい処理の自動化を検討する際には、Input/Outputをベースにシステムを構築するだけでなく、処理タスクのフローを整理します。
すると、コア業務とノンコア業務が明確になり、自動化可能なノンコアタスクも見えてきます。その際に重要なのは、システム化すべきはコアタスクではなく、ノンコアタスクであるということです。これにより、シンプルな構造のシステムを導入することが可能になり、コストも抑えられます。
わかりにくい事例かもしれませんが、システムを検討する際には、「システム導入が目的になっていないか?」という視点で立ち返ることが重要です。
IT担当者陰の必須スキルはイベント幹事
テーマは担当の資質と言いましょうか、こんなスキルがあると良いですよと言うお話し
IT担当者の必須スキルはイベント幹事であるというテーマについてお話しします。
IT担当者、特にシステムエンジニアに必要なスキルについて考えると、システムの設計やプログラムの開発といった業務に加えて、段取りや業務タスクを効果的に組み立てる能力が不可欠です。
そのようなスキルとして、宴会幹事や旅行企画などが挙げられます。宴会幹事の場合、人数の把握からお店の予約、会の流れ、集金まで幅広い業務を担当します。同様に、旅行企画では参加者の募集から場所の決定、予約、日程の計画立て、旅の計画書の作成まで、多くのタスクが含まれます。
これらの経験は、IT業務においても役立ちます。関係者からの要望をヒアリングし、目的を明確にし、業務を細分化してタスクに分け、フローチャートにまとめるなどのプロセスは、システムの開発プロジェクトにおいても適用できます。
システム開発のプロセスを旅行計画に置き換えてみると、その類似性が明らかです。
関係者にヒアリングして要望を伺う:参加者募集
目的を明確にする:行先を決める
業務を細部化してタスクに分ける:何をするか決める
フローチャートにまとめて流れを確認:スケジュール作成
画面、DB設計を行い:旅のしおりを作る
プログラミング:当日を迎える
デバック&導入:反省会
どうですか?なんと無くつじつまが合うでしょう。これは訓練と言うよりもその人に特性(性格)にもよるのかも知れません。ここから結論付けると「IT担当者=ディレクター」なのかも知れません。