役職と反比例する自己の存在意義に終止符を打つ。
先日、Xにこんなポストをした(ぜひフォローしてください)
ちょっと内容が長いのでgptさんに要約してもらったのが以下。
ちょっとよくわからないので、自分で端的に伝えると。
こんな感じですね。
と、書いておいたものの、僕自身が何を役割と定義するのかを考えておく必要があるなと思ったので、それを実際に書きながら思考をして、役割定義をしていこうと思います。
そもそも”仕事”とは何なのかを改めて考える
僕的な定義にはなりますが、仕事の本質は「課題解決」にあると考えています。何かの課題を解決することが仕事である、ということですね。
とても当たり前の話に聞こえますが、意外とわかっていない人も多いのではないでしょうか。
SAKIYOMIの場合で言えば、こんな感じ。
これがSAKIYOMIという会社単位で見たときの仕事です。
もう少し分解していくと、以下のようなパターンもあるでしょう。
これはどこまでも分解することができ、分解されていくたびに課題が小さくなっていくという構造になっています。
課題というものは小さくなればなるほど解決の難易度が下がっていきますので、解決難易度が低いものに対しては解決を依頼されにくくなり、結果としてそこに対して発生する対価(報酬・給与)は比例して下がるという構造にもなっています。
つまり、粒度の大きな課題を請け負っているほど(もちろんそれを解決している前提はあります)、発生する対価は大きくなっていくという仕組みなんですね。だから社長の給与(報酬)は平均的に高くなるという理解になります(もちろんここでは税金が~税金対策で~等の話は全て無視しています)
粒度の大きい課題は誰が解決しているのか問題
さて、ここで論点になるのが粒度の大きい課題を解決しているのは誰なのか?という問題です。
先程の「仕事の本質」から考えていくと、粒度の大きい課題というのは、それよりも小さな課題へと分解されていき、それら小さな課題はまたさらに小さな課題へと分解されていき、またさらに…というマトリョーシカ的な構造を持っています。
そして、細分化が停止した段階で、その小さな課題を誰かが解決し、その小さな課題群が解決されたら、分解前の課題が解決されたこととなり、その課題群が解決されたら、またその分解前の課題が…という逆流が起きていき、「本来発生していた課題」が解決するという形に収束します。
そう考えていくと、粒度の大きな課題を請け負った人は、実は直接的に課題の解決を担っていないにも関わらず、誰かの課題解決の結果を包括して、その人が課題解決をしたという解釈がなされたこととなります。
しかし、「仕事の本質は課題解決」であり、「課題を解決した対価をもらう」という構造になっている以上、粒度の大きな課題を請け負った人が「何の課題を解決したのか?」という問いに明確に答えられなければ、それは実質的に「仕事をしていない」という解釈になっても仕方がありません。
まさにXのポストをした僕が陥っている状況がここにあります。
粒度の大きい課題を持っている人間は何かを解決しているのか?
よくありそうな具体的な事例を持って考えていくこととします。
セールスパーソンとセールスマネージャー。
この2人が何の課題を解決しているのかを考えていきましょう。
セールスマネージャーは、その上長からおそらく「チームでの売上目標」を課せられていると考えられます。売上を作るという行為は会社からもらった課題に対しての解決策ですね。
一方、セールスマネージャーは当然ひとりでは売上目標を達成できない額を課せられているため、それをセールスパーソンたちに分解して渡していきます。セールスパーソンたちからすれば、自分に課せられた売上目標はマネージャーの課題であり、それを自分から達成することで解決を目指すという仕事をします。
さて、ここで前章で話した事象が発生します。セールスマネージャーの課題はセールスパーソンたちに分解されていったので、セールスパーソンたちが粒度の小さな課題を持っていることとなります。それらの課題をセールスパーソンたちが解決したとき、自動的にセールスマネージャーに課された課題が解決することとなりますので、現段階だけを見るとマネージャーが課題を解決したと言えないですよね。
ここで考えるべきは「本当にセールスマネージャーがいなかったらどうなるか?」というポイントです。
セールスマネージャーがいなかったらどうなるか?
組閣上、セールスマネージャーの上長(事業部長としておきましょうか)が直接セールスパーソンたちとコミュニケーションをとって仕事をすることとなります。
しかし、当然のことですが、事業部長はセールスパーソンたちの面倒を見る以外にも、例えば納品側のメンバーたちも同様にマネジメントしなければなりませんし、もしかしたらその事業部のバックオフィスメンバーもマネジメントする必要があるかもしれません。
セールスパーソンたちが何の手もかからず、渡した売上目標を自動的に達成してくれたら良いのですが、仮に達成しなかった場合はどうなるでしょうか。もちろんそのケアに動く必要があるのですが、そこに時間を使ってしまうが故に、他の納品側やバックオフィス側へのケアができなくなってしまいます。
もしかしたら、セールスパーソンがお客様からクレームをいただくかもしれません。その場合も事業部長が直々に解決に動かなければなりませんから、当然ながら他のことに時間を使うことができません。
事業部長が直接的にセールスパーソンをマネジメントしていた結果、他の場所へのケアが行き届かず、売上以外の部分(ブランディングが~・振込が~など)に重大なエラーが出てしまうかもしれませんね。
セールスマネージャーは何の課題を請け負っていることになる?
前述していたことから考えると、2つのパターンが考えられるでしょう。
①事業部長が管理するべき売上部分を代わりに管理する
②セールスパーソンたちが起こした問題を解決する
MECEできている感覚はないですが、あくまでも考え方として、という理解でお願いします。
②は起こるのか起こらないのかによって仕事の有無が変わりそうですが、もしかしたら「その事態を未然に防ぐ」ということも問題解決になりそうな予感。そうだとしたら、それは何が課題になっていると捉えられるのか。
未来の課題、見えていない課題、といったところでしょうか。
それが①に直結しているようにも思えますね。①自体には例えば売上を集計する、さらに上長に報告する、といったことも入ってきそうです。逆に①の「管理する」ということだけでも、「管理する時間がない」という課題を解決しているという見方もできそう。
課題の大きさ(解決難易度)と対価を今一度比べてみる
「課題の粒度が大きい(解決難易度が高い)方が、それに発生する対価が大きくなる」という話を前段あたりで書きましたが、ここで今一度マネージャーが解決している課題がどれほど大きいのかと、そこに発生する対価とを見比べて考えてみましょう。
※前提として、セールスパーソンとマネージャーとでは、マネージャーの方が対価(ここでは給与としましょう)が大きいと考えます。
仮に①のパターンだった場合、事業部長の「管理する時間がない」というマネージャーに課せられた課題と、「売上目標を達成する」というプレイヤーに課せられた課題とでは、明らかにプレイヤーが課せられた課題の方が難易度が高いと言えます。誰でもできそうな課題解決ですよね。
ですので、①の場合は「対価と見合っていない」と見做されるので、仕事の内容(マネージャーが解決する課題)としては不適だと考えられます。
②のパターンだった場合、セールスパーソンが問題を起こさなければ課題は存在していないことになりますので、仕事の内容としては不適、というか仕事はない、と捉えられます。
が、セールスパーソンが仮に問題を起こした場合、そのエラー対応は会社に対しての損失を回避するか否かがかかっているため、状況によっては対価に見合うし、見合わないこともある、という解釈になりそうです。それを未然に防いでいるというパターンも、同様の捉え方ができますね。
しかしながら、やはりこの状態だと対価相応の仕事をしている(課題を請け負っている)とは言い難い状況なので、確実に対価相応の仕事をしていると言える課題の設定が必要になりそうです。
先を書いていて、全部消して、戻ってここを書き始めている
H3にあるとおり、先に進んでいたが、一旦全部消しました。
書いていて思ったのは「チームに課された目標(上位の課題)を絶対に達成しなければならない」という課題をマネージャーが課されているのではないか、ということ。
その課題を解決するために、いくつかの課題がまた発生する。
上述したもので言えば
・メンバーが起こすであろうエラーを予防する
・メンバーが起こしたエラーを自分で解決する
と言ったものが挙げられるだろうし、
・課された目標に対してメンバーのレベルが追いついていない
・そもそも課された目標に対してメンバー数が足りない
・モチベのムラが大きいから達成確度が不安定
などの課題も発生しそうです。
これらの課題は”自分以外の何か・誰か”に対して発生するものであるため、変数が増え、それに比例する形で解決難易度は上昇していく。すなわち、マネージャーが受け取る対価に対して相応な課題レベルだと言える。
詰まるところ、粒度の大きな課題を請け負っているメンバーは「それを必達させなければならない」という、本来の課題を解決する上で発生するそれ以外の課題を全て解決する責務を負っていると言える。
また、その必達において「課題となるものを見つけ出す」ということも、与えられている課題として捉えることができそうです。
「『課題解決をしない未来』という課題」を解決しているということですね。何とも捉えにくい概念。
CHROとして解くべき課題を明確にする
僕はSAKIYOMIの経営幹部であり、その中でもHRを統括しているポジションでもあるため、一旦ここではCHROという単語を使います。
さて、ここまでに考えてきた内容をもとに整理すると、
・仕事の本質は課題解決である
・組織の中において、課題は細分化されて下流へ流れる
・上流にいる人間は「『課題解決をしない未来』という課題」を持つ
といった感じですかね。
じゃあCHROという立場において「課題解決をしない未来」とは何を指しているのかを考えていきましょう。
SAKIYOMIとして課題解決ができている状態とは何か?
創業時にまで戻りますが、理念に全てが込められています。
これを実現している状態こそが「課題が解決できている」と言えますね。
ただ、これはどこまでも続く道ですし、もはや概念的な話だったり、解釈的に言えば「今も幸せじゃん!」と思えたりしちゃうので、もう少しブレイクダウンして考えていきます。
理念をブレイクダウンした先にあるのがMVV
理念を実現するためのあるべき姿がMissionで、
Missionをもとに行動した先に作りたい社会がVision、
そしてそれを実現するための行動指針がValue。
そんな解釈をしています。
わかりやすいのがVisionなのでそれをもとに考えると、
これが「課題が解決できている状態である」と定義ができそうです。ということを考えると、CHROが抱えている課題というのは「Visionが実現しない未来を誘発する要因」と解釈が置き換えられます。
また、HRという特性も合わせて考えると、経営幹部の中でも特に「Visionを実現するための事業戦略が実現しない未来を誘発する要因」をCHROの課題と捉えることができそうです。
CHROの役割を何と定義するか?
上述した「CHROの課題を解決すること」が役割であることに変わりはないのですが、その中でもいくつかやるべきことがありますよね。
①Visionを実現するための事業戦略を深く理解する
②事業戦略を実現するための組織状態を明確にする
③組織状態を実現するための課題を明確にする(組織戦略の構築)
④組織戦略を確実に遂行し、実現を目指す
粗く書いたとしても4つのステップで構築されており、その中でも④は実行フェーズに入るため、ここまでに考察してきたように、課題を分解していきながら、実行を担う下流へと任せていきます。
とすれば、①〜③をCHROが担うものとして捉えることができ(④も管掌するが、主体がメンバーにあるため一旦除外)、役割としては「SAKIYOMIという組織の理想状態を描き、その実現に向けて解くべき課題を定義すること」にあると解釈することができました。
さて、改めて整理していくと、
こんな形に着地しました。あっているのか否かはわかりませんが、上流からひたすら論理的に解いていったので、ひとまず考え切ることはできているんじゃなかろうかと。
まあ、なんか当たり前な感じに着地してしまいましたが、まあ個人的な備忘録として、改めて自己定義する良い時間だったなと。まあ加えて、マネージャーの仕事というものについての論考もできたので、それは誰かにとって有益であったらいいなと思います。
ポストの中にも記載しましたが「実行力に乏しい」という側面があるため、逆にずっと理想状態を考えて、そのための課題を洗い出して、それを誰かに協力してもらいながら潰していくという状況に結果的になっているのは幸いかなと。
ただ一方で、クリティカルな課題を定義し続けるためにも、誰よりも組織や働くメンバーに対しての解像度を高く持ち続けないといけないでしょうし、Visionに対しての解像度もどんどん上げていかないといけないなと感じます。
だからこそ、自分が手を動かしている時間は極力減らしつつ、社内メンバーと積極的に話して現場の意見を理解できる状態でありつつ、経営陣との対話や社会との対話をひたすら続けることに時間を割くことで、良い課題設定をし続けられたらと思います。
ちょうど今年も終わりそうですし、来年に向けてより良い課題設定ができるよう、年末を過ごしていきたいと思います。自分の役割を全うし続けられるように。
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