見出し画像

【マネジメント】Z世代の人材育成について考える。

メゾンVAVELをご覧いただき誠にありがとうございます。
住宅会社に人材育成や営業支援のコンサルティングをしている私の元には様々な相談が寄せられます。

今回は、大手ハウスメーカーの統括マネージャー(役所仮称)から『20代〜30代の若手人材の離職率が高く、若手とベテランとの年齢差が広がっている』との相談をいただきましたので、本記事では相談内容を元に、Z世代のマネジメントについて深掘りしていこうと思います。

経営者やマネージャーだけではなく、これから人材育成を担当される方にも是非ご覧いただきたい内容となっています。

離職は世代の理由ではない

あなたの周りで"若手がいない""優秀な人材が離職した"など、人材不足の話を耳にすることはありませんか?

実際に住宅会社専門のコンサル企業に勤めている私は、人材不足や流出に悩む経営者やマネージャーの話をよく聞きます。

また、事業が潰れる前に組織が潰れて経営が破綻するという光景も目の当たりにしてきました。

一般的な社会的意識から「最近の若い奴らは根性がない」「諦めが早い」といった評価を耳にすることがありますが、単純に『世代の問題』として片付けるのは早計だと考えています。

実際のデータを基にお伝えすると、1995年以降、大卒者の3年以内の離職率は30%台を推移しており、28年間で大きな変化は見られません。

学歴別就職後3年以内離職率の推移

【引用】厚生労働省〈学歴別就職後3年以内離職率の推移〉
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001006083.pdf

では、若い世代はなぜ離職するのか?

それは『見切りの早期化』です。

転職先の企業に関する口コミを集めたWebサイト「Open Work」では、新卒入社で3年以内に退職した平成生まれの若手社会人の退職理由をランキング形式で取り上げています。

最も多かった退職理由は「キャリアの成長が見込めない」となっており、全体の約1/4を占める割合がキャリア成長に課題を感じています。

【引用】Open Work〈平成生まれの退職理由って?〉
https://www.openwork.jp/hatarakigai/vol_14

よって、終身雇用神話が崩壊しつつある現代では、終身雇用を前提とした働き方では"逃げ切れない"と思う若手社会人が多く、早くどこでも活躍できる人材になりたいと考えていることが分かります。

世代という時差

あなたが聞ける立場の方なら、マネジメントをしている方に「人材育成のコツは何ですか?」と質問してみてください。

もし担当者から「自分が育てられた方法で教育しています」「愛情です」など、バイアス(偏り、偏見、先入観などを意味し、認識の歪みや偏りを表現する言葉)と抽象論を答えた場合はイエローカードです。

また、面接や社内面談で「10年後はどうなりたいか?」と質問するような人事担当者もイエローカードです。

なぜなら、「いつまでその会社で働きたいか?」という設問に対して、約50%弱の20代の若手人材が「3年以内」と答えているからです。早く成長したいと考えている世代からすると「5年後や10年後の話をされても遅い!」と感じてしまいます。
【引用】リクルートワークス研究所
https://www.works-i.com/project/youth/solution/detail003.html

このように、キャリアの早期構築願望を持つ若手社会人と30代〜40代のマネージャー世代の時間軸に大きな差が生じていると言えます。

2種類の『諦め』

ここから先は

2,820字

¥ 1,000

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?