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2014年12月の記事一覧
第十話 はじまりは花の香り
たった一日。
忙しくしてるうちに明後日がくる。
そう思っていたけれど、その忙しさを甘く見ていた。
「お嬢様、よくお似合いでございます」
「ええ、本当に。ダンスのお誘いも数多できっとお困りにますよ」
「そ、そうですか? ふふ、ありがとうございます」
用意してもらったドレスは淡い藤色をしており、とても上品だった。大人っぽい意匠に気後れしたものの、手放しに褒められれば悪い気はしない。けれど、浮かれて
たった一日。
忙しくしてるうちに明後日がくる。
そう思っていたけれど、その忙しさを甘く見ていた。
「お嬢様、よくお似合いでございます」
「ええ、本当に。ダンスのお誘いも数多できっとお困りにますよ」
「そ、そうですか? ふふ、ありがとうございます」
用意してもらったドレスは淡い藤色をしており、とても上品だった。大人っぽい意匠に気後れしたものの、手放しに褒められれば悪い気はしない。けれど、浮かれて