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サイバー・C・プロジェクト

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SF小説『サイバー・C・プロジェクト』のハコ。
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#サイバーCプロジェクト

平和 /第16話

平和 /第16話

目を覚ますと、そこには崩れ落ちた研究所があった。

「皆は…?」
菜々子は辺りを見回すが、煙で周りがよく見えない。
「俊!」
思い切り叫んでみるが、返事はない。
菜々子は胸がざわついた。

「まったく、これだから菜々子は」
突如声がして、振り返るとピヨと零だった。
「こういう時は、アンドロイドが人間を助けないと。一体何年アンドロイドやってるの?」
ピヨが笑って言う。
「ピヨ!零!」
零も「ほんと

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母 /第15話

母 /第15話

「お父さん、もう、やめよう」
そのとき、声がして全員が振り返る。
ピヨと零だった。
零も記憶を思い出し、そして自分の心を取り戻したのだ。

「そんなの、お母さんの望んだことじゃないよ」
零が言うと、箸本は首を振る。
「何を言うんだ。睦美は今だって言っているぞ。世界を平和に、と…」
「それは、お母さんの言葉じゃない。サイバー・Cの機械にいつからから組み込まれてしまった人間たちの欲望が、そう言わせてる

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犠牲 /第13話

犠牲 /第13話

「やっぱり戻ってきてくれたね」
近づいてい来る零の瞳は、虚ろだ。
笑顔が怖い。
この笑顔を私は知っている、と菜々子は思う。
これは零ではない。アイツに支配されている時の零だ。
「さ。菜々ちゃんが来てくれたことだし、始めようか」
何を?と言う間もなく、零が菜々子の腕を掴む。

「おい、零。ちょっと話を聞け」
ピヨがその腕を抑えて言うと、零はピヨを一瞥した。
「君はNo.1だね。君には用はないよ?何し

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日記 /第12話

日記 /第12話

x月x日。
今日から私は日記を書くことにした。
この頃、気づくと記憶が飛んでいるからだ。

x月x日。
零の体調が悪い。
また無意識に活動してしまっているらしい。
活動の後、零はいつも自己嫌悪だ。

x月x日。
最近、お父さんはいつもメインコンピュータの前でぶつぶつ言っている。
あれはもう、お母さんではないのに。

x月x日。
私の腕に腕輪がつけられた。
いよいよ実験が最終段階に入ったのだ。
これ

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帰還 /第11話

帰還 /第11話

「逃げて、逃げて」
頭の中の声はもう聞こえない。
あの時、頭の中の声に無条件に従って逃げてきたこの場所に、私は今、帰ってきた。
今度は、自分の意思で。

昨日の夜ー。
「二手に別れる」
俊はピヨが作った地図を指しながら言った。
「やるべきことは研究内容の消滅。中央の司令室にあるメインコンピュータがすべての元となってるはずだ。こいつを壊す。これは俺がやる」
「えっ!一人で出来る?」
ピヨが思わず声を

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前夜 /第10話

前夜 /第10話

「今日は、すごく長い一日だったなぁ」
すっかり雨が上がった帰り道、俊が腕を組み、うーんと上に伸ばしながらぼやく。
「菜々子、大丈夫?」
うん、と菜々子は頷く。
すると俊は少し顔を曇らせて言った。「腕輪のことは、分からなくてごめんな。それと他にも、色々、黙っててごめん。」

菜々子は、ふるふると首を振る。
「平気だよ。色々ショックだったけど。でもまぁ、今はこうして元気だし、皆もいるし」
菜々子がそう

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昔話のその後 /第8話

昔話のその後 /第8話

「私と、零と、お母さんは、死んだの?」

震える声をぐっと抑えて、菜々子は先生に訪ねた。
目も頭もぼうっと熱い。

「先程、君を調べさせてもらったが…。君の脳は人間だ。しかしそれ以外はロボットだ。おそらく、あの事故で人体を損傷し、人間の身体のままでは生きられなかったのだろう。」

ガシャン。先生は車椅子から音を立てて崩れ落ちると、ロボットのような義足の膝をついて額を床に押し付けた。
「申し訳ない…

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先生 /第6話

先生 /第6話

白い肌に黒い瞳。
暑い時には汗をかき、悲しい時には涙が溢れる。
さながら、人間そのものだ。
一体誰が彼女を創ったのだろう。
一体何の為に創ったのだろう。

布団に寝転がったまま、菜々子は自分の手をぼんやり見つめ考える。
アンドロイドは、サイバーシティにおいて珍しくはない。
駅員もウェイターも概ねアンドロイドだ。
しかし彼らと自分は同じアンドロイドでも全く異なっている。
一般的なアンドロイドは、その

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