岸田奈美著「傘のさし方がわからない」を読んで
今朝、岸田奈美さんの「傘のさし方がわからない」を読了した。
ひとこと。
岸田奈美さん、なんであなたの文章は、心に刺さるの?
と、言いたい。
すでに、岸田奈美さん著書「もうあかんわ日記」と「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」は、読んだ。
その時も、同じような感覚を持った。
で、今回の「傘のさし方がわからない」。
彼女の文章力に、圧倒されっぱなしであった。
例えば、「長所と短所は背中合わせだから、光彦の幸せを願う」。
目からウロコとはこの事を言うのだろうか。
このタイトルでは、何のことだかさっぱりわからない。
だいたい、とーちゃん世代は、名探偵コナンなどという漫画は読まない。
だから、普通は興味を持たないのだ。
だが、奈美さんの文章は、
読んでいるだけで、登場人物の光彦が気になるのだ。
最初の方で、未来少年コナンにも触れているところが、なんとも幅広い。
そして最後には、「そうだよね~」と、共感の世界に引きずり込まれる。
全てに言えることだが、巧みな描写が、笑いを誘う。
読んでいて、楽しいのだ。
「銀河鉄道と三匹の夜」。
なんで、あなた世代が「レッツゴー三匹」知ってるの?
もちろんボクは、知っているだけに、爆笑。
銀河鉄道の夜とレッツゴー三匹が、同じ文中に出てくる意外性。
それも、頭皮マッサージの話から、ここにたどり着くのだ。
文章の宝石箱やぁ~!
と、ボクの頭の中で、彦摩呂が出てきそうである。
「歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋さん知りませんか?」とたずねられた」では、
奈美さんの、人となりが出ている。
たぶん、騙されやすい何かを持っている人なんだろう。
でも、逆に言えば、とても話しかけやすい人、とも言えたりする。
こんな出来事さえ、奈美さんの文章力にかかれば、ここまで面白くなる。
なんという観察力。
起きた出来事を、ただの話で終わらせず、多くの人に楽しくシェアする。
これって、明石家さんまさん並の天性ではないだろうか。
最後の「思い込みの呪いと、4000字の魔法」。
これはボクには、特に深く刺さった。
長男おじゃる、次男ウッディともに、障がいがある。
奈美さんのここで言っていること、禿同(はげしくどうい)なのだ。
たぶん、家族でないと、わからないことがある。
様々な考え方があることも、わかる。
とーちゃんもかーちゃんも、この2人には感謝しかない。
だから、不幸とか、大変だとか、思ったことはないのだ。
その気持を、代弁してくれた気がした。
奈美さん、今回の本も、最高だったぜ!
次回作、楽しみにしているぜよ!!
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