バカと無知―人間、この不都合な生き物(橘玲著) 読書メモ
・脳にとって「劣った者」は報酬、「優れた者」は損失
・バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと
・「知っていることを知らない」のは「直感」や「暗黙知」と呼ばれる。人々が感動するような素晴らしいものは直感や暗黙知から生まれる
・理解力の確認としてテストを行い、その結果をフィードバックして学力が高まるのは認知能力の高い子供だけ。自分が何を知らないかを知っているので、間違ったところを修正して正しい知識に到達出来る。ところが認知能力低い子どもは、なぜどこで間違えたかを理解できず、フィードバックを受け取ってもどうしていいのか分からない
・様々な分野で、他人に対する評価と自分の実力が一致しないことが多々ある
・集合知(たくさんの人の知性を集めると、より優れた知性が登場する、という考え方)を実現するための条件は2つ。①一定以上の能力を持つ者だけで話し合うこと。②は①が無理な場合に優秀な個人の判断に従って物事の選択が出来ること。
・良い選択の条件は「バカを排除すること」
・愚か者が自分の能力を大幅に過大評価し、賢いものが自分の能力を過小評価した状態で話し合われることで、集団での意思決定の質が下がる
・短距離走で再開だったこどもに1位のトロフィーを渡しても足が早くなるわけではない。「褒めて伸ばす」という教育方針のバカバカしさはこれに似ている
・自尊心と暴力の関係を調べた研究で、暴力を予測するのは自尊心の高低ではなく、その安定度に寄与する。自尊心が高くて不安定な人はわずかなストレスでも強く傷つき、その回復のために他者へ攻撃的になる。また、自尊心が低くて不安定な場合は、攻撃性が他人ではなく自分に向けられて抑圧的になるとのこと