旅のラゴス

2020/12/4 読了

旅を人生とするひとりの男の物語

・主人公ラゴスの、怒りにも悲しみにも喜びにも一定の上限のようなものをつくる性格が清々しくあり、そうなりたいと思う憧れを感じた。

・あくまで成熟していない社会から飛び立ちたくなり旅を始めたラゴスが、全知の神のような立場になりつつも順風満帆とはいかない姿は幾ら進んでいても知力と精神力と科学のチカラには限界があることを感じさせる。

・情愛溢れる人々との関わりが、短くも長くも、それぞれの意味と価値を持って最後まで旅と共にある情景が美しかった。

・振り返ったときの膨大な時間を、最終的に意味づけせずに全てを手放して、ただ自分の欲求の中に戻る姿を滑稽とみるのか…?

・人生は旅で、旅途中は旅途中でしかなく、旅の終わりは終わりでしかない。
 そんな虚無は感じつつも、踏みしめられた足跡の中に育つ草のように、軌跡の影響が沢山の人やモノに良い変化を与えている。

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