双極性障害(躁うつ病)回復のためにやってみてよかったこと 後編(食事・片付け)

 こんにちは、ととです。
 私のことをまだご存知ない方は、こちらをご覧ください。

 そして今回の記事は、前・後編の後編にあたりますので、以下の記事も踏まえてご覧ください。

 前回の記事では、
①睡眠記録をとる
②日記を書く
③運動をする

 という3つのことについて体験談を踏まえてお伝えしました。
 あたりまえすぎていても、わかっていても、出来ていない方がきっと多いと思います。
 できることから、はじめてみてください。
 少しずつ、確実に、良い方向に向かうはずです。

 そして、今回の記事にも共通することですが、精神疾患の克服に大切なことは、良いことでも悪いことでも、やったこと(行動したことを)記録すること。
記録ほど自己管理能力、自己肯定感を(自分で)上げる行動はないと思っています。
(他人から「いいね」されるような自己肯定感は偽物で、もろく、崩れやすいです。「もっとほしい」が見え隠れするようなものは、危険ですよね)

 今回の記事は、とても長い内容になってしまいました。(スミマセン……
 読む側もきっと疲れると思いますので、休みやすみ読んでみてやってください。

食事を管理する


 病気に負けない、丈夫でタフな身体を作っていくためには、運動だけでは消耗していく一方です。
 消費したカロリーやエネルギーは、食事できちんと補うことが必要になってきます。
 また、人間には「基礎代謝」というものが備わっていますので、うつ状態などでベッドに横たわっていた1日だったとしても、栄養は必ず摂らなければなりません。

 余裕があるときにでも、勉強したり読んでみてほしい本は、栄養学に関するものです。
 語学や資格の勉強をしたい気持ちは大いにわかりますが、まずは自分の体内に直接的に入れていくものを選別できるよう、知識を入れていくことをおすすめします。
 栄養学をざっくりとでも学んでいくことで、三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)がどれほど大切で、意識的に摂取しなければならないことがわかると思います。

 例えば、身体のエネルギーとなる栄養素は主に、炭水化物と脂質です。

 炭水化物はエネルギー変換が早いので、意識的に摂取することで、身体的にも精神的にも回復を感じやすいです。脳への栄養にもなるので、積極的に摂りたい栄養素です。
 基本的には、お米を食べていれば純粋な炭水化物が摂れるので、毎日お米が食べられるくらいには元気になりたいですね。
 その他、食パン(ライ麦パンや全粒粉がおすすめ)、麺類(蕎麦はタンパク質も豊富です)、ゼリーなどから炭水化物が摂れます。
 食べられない場合は、ゼリーなどを常備しておくと、エネルギー不足になりにくいですが、基本的には「固形食を噛んで食べる」ことが大切です。

 脂質は長期的なエネルギー保存に適していますが、摂取しすぎると、もちろん太ってしまいます。
 お菓子、菓子パン、ミルクティー、チーズ、プロテインバー、フライドポテト、からあげ弁当など、コンビニやファストフード店で買えるような食品には、多量の脂質が含まれています。
 これらは悪い脂質の代表格で、エネルギーにはなっても、栄養にはならず、蓄積されやすいものばかりです。

 たんぱく質は直接なエネルギーになりにくいものの、筋肉や髪、爪などを強く、美しくしてくれます。
 免疫力の向上や、ホルモンバランスを整えてくれる働きもあります。
 しかし、現代人の多くの人の食事は、たんぱく質がまったく足りていません。
 ゆでたまご(ビタミンなども豊富)などをちょい足ししたり、鶏むね肉(高タンパク低脂質)や青魚(たんぱく質&良質な脂質)を摂ることを意識したいですね。

「身体にいいものは何か」を調べるのは簡単です。
 意識したいのは、悪いものを身体に入れないことです。
 例えば脂質といっても、積極的にとるべき良い脂質もあります。
 青魚、オリーブオイル、ナッツやアボカドなどからは、身体を良い方向へ変化させる良質な脂質が摂れるので、意識して摂取したほうが良いです。
 面倒臭いからといって、菓子パンやカップラーメンで日々の食事を済ませていると、確実に太る原因になりますし、他の病気にかかりやすくなります。
 精神疾患ですらこんなに厳しい生活なのに、不摂生な食生活によって、身体的疾患をさらに増やせば、苦痛も無駄なお金も時間も増やしてしまうことになるのです。

 だから、食事を管理する。
 私は一時期、食べたものを記録してみたことがあります。
 一食一食完璧にすることは難しいものの、書き出して振り返ることで、「夕食だけはうまく考えよう」とか「今日はたんぱく質が足りなかったな」と改善点が見えてきます。
 食事管理でも記録が大活躍するわけですね。

 最近はダイエットアプリが豊富なので、「あすけん」などを使って食事や栄養素、カロリーを簡単に管理できます。
 スマホで写真を撮るだけで、ある程度の献立を把握し、記録してくれる機能はとても便利だと思いました。
 ダイエット目的ではなくとも、食事を見直すという点で、一度試してみてはいかがでしょうか。

 そして、3食必ず食べること。
 これは、良質な睡眠にも影響してくるので意識したいですね。
 特に、朝ごはんを食べることが大切。
 朝、体内に食べ物が入ると、自律神経によって胃や腸が働き、内臓が動きはじめます。
 この体内の動きによって、体内時計が調節されていくのです。
 朝のうちに胃にものを入れることで、「朝ですよ」と身体に覚えさせていく。
 特に冬季うつに悩まされている人は、朝食を意識的に摂ってみてください。
 
 また、3食たべることで、血糖値の急低下を抑えられます。
 空腹時にものを入れると、急激に血糖値が上昇し、身体に負担をかけることになります。

 血糖値についてもご自身で調べてみるといいかもしれません。
 空腹状態がいかに危険かよくわかります。
 もちろん、空腹時には精神状態も不安定になりますから、食べる時間をなるべく固定して、少量でも入れていきましょう。

 個人的な意見ですが、「断食」や「ファスティング」などのダイエットは、精神疾患者にとっては危険なことだと考えています。
 傷ついた脳に栄養を送るためにも、毎日の食事を大切にしてください。
 
 ちなみには私が現在、食生活で意識していることは、
①飲み物は基本「水」。意識的にちょこちょこと1日2リットルは飲む。
カフェインやアルコールは薬と相性が悪いため、極力摂取しない。
 運転などどうしても集中力が必要なときは、お店などで挽いたコーヒーを少量飲む。(エナジードリンク、栄養ドリンクは絶対にNG)  
③鮭、アボカド、ナッツ、オリーブオイル、鶏肉など、身体に積極的に入れるべきものを優先して備蓄する。
食前に生野菜、炭水化物は最後になるようにする。(GI値の考慮)
よく噛んで食べる(これもリズム運動=セロトニンの増加)
外食では脂質過多になりがちなので、炭水化物・たんぱく質を意識したものを選ぶ。
 炭水化物は多めにして、外出先でバテないようにする。
足りないたんぱく質はプロテイン(余計なものが入っていないもの)、ビタミン・ミネラルなどはサプリメントで補う。
⑧特にうつ状態のときには、十分に食べられないので、inゼリーやカロリーメイトなど、エネルギーを中心に補給できるものを優先する。
たまには思い切り好きなものを食べて幸福感を得る。
 
などです。

 食事が安定すると、確実に精神が安定してきます。
 精神を安定させるベースとして、脳に栄養を与える唯一の手段だと思って、食事管理を徹底してみてください。

部屋を片付ける(断捨離する)


 あなたは、部屋の片づけが得意ですか?
 使いたいものがどこに置いてあるか、正確に記憶していますか?
 物を増やすことが得意になってきていませんか?

 かくいう私も片づけが超苦手。
 Amazonをはじめとするネットショッピングが身近になり、ワンクリックで物が買える時代になりました。
 整えていたはずの部屋も、いつの間にかガラクタであふれかえってしまいます。

 しかし、特に「なんとかしないとな」と思うこともなく過ごしていました。
 部屋が汚くても、生活が困窮するわけではないですし、急を要することではないらです。
 ですから、以下に記すことは、病気の急性期にある方や、抑うつ状態にある方、必要性を感じないと思わない方はスルーしてもらっても結構です。
 「食事」「運動」「睡眠」そして「記録」
 これらのことが、不自由なくできるようになってからでも遅くはないです。
 それでも、「片づける」という行動は、確実に私の精神を安定させてくれました。

 私の場合、きっかけはNetflixでたまたま視聴した、近藤麻理恵(通称こんまり)さんの映像「KonMari 〜人生がときめく片づけの魔法〜」でした。

 とにかく物が増えすぎて、片付けられない外国人のお宅に、こんまりさんがお邪魔して、軽くアドバイスをするだけの映像に、タイトル通り「魔法」のような感覚を覚えました。
 こんまりさんは、どんな汚部屋であろうと、白くて小綺麗な服を着て、お宅訪問します。そして、こんまりさん自身は、片付けに関してまったくお手伝いをしない。ただちょこっとアドバイスをして、帰っていく。
 すると、その外国人の方々は「こんまりに褒めてもらいたいからがんばる」「片付けをするだけで、本当に人生が変わるかもしれない」「片付けっておもしろい」と意気揚々として片付けに励むのです。
 最初は「おいおい、嘘だろ」と思ったものですが、私自身も物に溢れて生活してる自覚があったので、「こんまり流片付け」を試しにやってみることにしました。
 映像だけでなく、書籍も手に入れて「片付けの方法」を人生で初めて学びました。

 この本は、今でも名著だと思っています。
 続編も出ていますが、ややスピリチュアルな側面もあるため、単純に「片付けの方法」を学びたいのなら、1作目の方が良いでしょう。
 
「こんまり流片付け」の基本は、「手にとって、ときめかなければ手放す」というもの。
 着ていない服、読んでいない本、思い出の品々、部屋にはびこるさまざまなものをもう一度手にとって、どう感じるかを探るのです。
 それに倣って、私も、片付けを一つひとつ進めていきました。
 そして、ほとんどのものが使われていない、必要ではないものだとわかりました。
 
 あのとき必要だと思って買った物が今必要なかったり、今の自分にとってむしろ悪影響を与えていると感じたり、「今、どう思うか」という点では、片付けとは、マインドフルネスに近いものであると感じます。
 
 そして、完全に片付けが終了したときに思ったことは、「気にかけることが減った」ということ。
 物が減る、そして、あるべき場所にあるということは「無意識な反応」が減ることに繋がります。
 私は、この「無意識な反応」をコントロールするということは、脳を疲労させない、一つのテクニックだと思っています。
 物がそこに「ある」というだけで、人がそこに「いる」というだけで、脳は何かしらの情報をキャッチしようとするのです。
 その対象物が多ければ多いほど、つまり物が溢れかえっている部屋にいればいるほど、脳が情報処理にエネルギーを費やします。
 それらはすべて無意識下で行われているので、空間疲れのようなことが起きるのです。
(私は本が大好きですが、本屋さんに行くと調子が悪くなります。視覚情報量が多すぎるのだと思っています)
「感受性」という高いセンサーの持ち主である精神疾患者にとって、反応するものが1つでも減るということは、無駄なエネルギーを消費しない、省エネな生き方につながります。

 つまり、見るもの、聞くもの、感じるものを極力減らす。
 意識したいものをシンプルにレイアウトする。
 どこに、何があるか定位置を決めてあげる。
 そうして、本当に大切なものを、大切に扱えるようになります。

 また、「手に取る」という行為を通じて、買い物をする際「これは本当に必要なものだろうか」「これを迎え入れるスペースがあっただろうか」と一考するようになりました。

 ときに双極性障害の躁状態というものは、「散財」という恐ろしい行動に出ることがあります。
 私も「散財」による金銭管理に関しては、本当に苦労しました。
 日頃から物とどう向き合っていくのか、必要性を感じるのかといったことを「手にとって」考えることで、無駄な出費を抑えられます。

 周囲を片付けることも、自己管理の一つだと思います。
 自分がどのような空間にいるか、一度周りを見渡してみてください。
 
 あなたの精神状態が、おそらく部屋の状態とリンクしていると思います。
 
 部屋の乱れは心の乱れ。

「常にきれいにしておけ」「ミニマリストを目指せ」とは言いませんが、心地よい空間を作る努力はしていたいものです。
 
 
 以上、かなり長くなってしまいましたが、双極性障害の回復のためにしてきた、基本的なことをご紹介しました。
 どれもあたりまえのことで、耳が痛くなった方もいらっしゃると思いますが、そういった「あたりまえ」のことをどれだけしてこなかったか、できなかったかを振り返ってみてください。
 そして、調子のよいときには、その「あたりまえ」を繰り返してみてください。
 承認欲求を満たす前に、私たちがするべきことはもっと身近にあります。
 ゆっくりでいいので、生活の中に取り入れていってみてくださいね。

 
 こんなに長々と書いておいて、まだまだやってきてよかったことはたくさんあります。
 なにせ、躁うつ歴11年目ですからね。
 気になる項目があったり、もっと知りたいことがあるようでしたら、コメントで教えていただけると、今後の記事の参考になります。
 気が向いたときにでも、話しかけてみてくださいね。
 それでは、あなたの穏やかな1日をお祈りして、このあたりで失礼します。
 

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とと
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