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古事記をはじめて学ぶ-09 古事記の神々 上巻-01 三貴子の誕生
古事記を学ぶと多くの神々がご登場されます。上手くイメージできるような系統図があると理解が深まると思い、探しておりました。
國學院大學古典文化学事業の古事記のサイトに神々の系統がありましたのでご紹介いたします。このサイトは古事記に登場する神々が系統図で作成されており、とても理解しやすいサイトになっています。古事記をお読みになる方々は是非ご覧いただくと良いと思います。下記にURLを貼っておきます。
今回のテーマは國學院大學の古事記学センターのお力を借りながら、GoogleMapによる旅を実施します。GoogleMapに投稿された写真も時々活用させていただきたいと思っています。
古事記は「天皇家の神話」です。この物語の中に、日本の誕生について物語が展開されています。つまり日本人とは何者か、私達は何者か、自分の育った○○地域は何者かなどのアイデンティティを構成する物語が古事記です。これまで海外の方々の自国の成立について色々な話を聞くたびに、海外の教育について考えさせられてきました。日本の教育も、日本の根元となる部分の教育はしっかりと行う必要があると感じています。
一方で、古事記は物語ですから、歴史真実を確実に伝えている歴史資料ではありません。しかし、物語を構成する要素の中に、歴史事実が隠されている可能性が大いにあると思われます。
この歴史事実を少しでも紐解けるよう、少しだけ学びを増やしてみようと考えています。これまでのイメージが逆転するようなケースも登場するのではないかと期待が膨らんでいます。
この「少しだけ学びを増やす」ために、古事記にご登場する神々を学んでいこうと思います。
この神々を学ぶことは、神社巡りに大きく役立つと思っています。
1. 天地初発
上巻の最初にご登場の別天神の5柱です。いずれも性別のない独り神です。
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2. 神世7代
次にご登場の神世7代の12柱です。最初の2柱は性別のない独り神。その後は夫婦神としてご登場されます。イザナギ神、イザナミ神のお二人は最後にご登場となり、このお二人が多くの神を誕生されました。
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3. 国生み
ここから国生みとなります。お二人の子として最初にお生まれになった神がヒルコ(水蛭子)。葦船に乗せられて流されてしまいました。次にお生まれになったのが、淡島神。ここから、いくつもの陸地が形成されていきます。
ここで、淡島は神とすべきか、陸地の形成そのものとすべきか、迷うところではございます。古事記には、「この子もまた子として数えることはなかった」とありますので、本来は神として数えるべきではございません。しかし、今回は、神として述べさせていただきます。
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4. 神生み
国生みの終わりを告げるのが、オオコトオシオノ神(大事忍男神)。その後、住居に繋がる神々がご誕生されます。その後としてハヤアキツヒコノ神(速秋津比古神)、河の女神としてハヤアキツヒメノ神(速秋津比売神)。次に自然に関する4神がご誕生されます。風の神としてシナツヒコノ神(志那津比古神)、木の神様としてククノチノ神(久久能智神)、山の神としてオオヤマツミノ神(大山津見神)、野の神としてカヤノヒメノ神(鹿屋野比売神)。その後も神生みは続き、船の神、穀物の神、火の神と続きます。この火の神がヒノカグツチノ神(火之迦具土神)です。ヒノカグツチノ神をお産みになった際のやけどが原因でイザナミ神はお亡くなりになられました。亡くなられたイザナミ神は比婆山に葬られました。
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イザナギ神は腰のトツカノ剣(十拳剣)でヒノカグツチノ神(火之迦具土神)の頸を切った時に剣から落ちた血が神聖な石にほとばしり、3神が生れています。この3神の中にタケミカズチノオノ神(建御雷神)がおられます。この神は国譲りに登場する重要な神です。
その後、有名な黄泉の国の物語に展開します。黄泉の国の物語は今回省略させていただきます。
5. 禊
黄泉国から戻ったイザナギ神が穢れを落とし清める禊の折、水の中に潜ったときに、ワタツミ3神(底津綿津見神、中津綿津見神、上津綿津見神)と住吉3神(底箇之男命、中箇之男命、上箇之男命)がご誕生されました。
ワタツミ3神の子であるウツシヒカナサク神(宇都志日金析命(穂高見命))がアズミ族(阿曇族)の祖神となります。
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黄泉国から戻ったイザナギ神が穢れを落とし清める禊をした最後に、左目からアマテラス大神、右目からツクヨミ神、鼻からスサノウ神がご誕生されます。
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6. 今回のまとめ
古事記に登場する神々を系統を追いながら、古事記に沿って学んでみました。
最後に、アマテラス大神、ツクヨミ神、スサノウ神をご紹介しました。
古事記には今回ご紹介しきれない多くの神々がおられます。
次回も神々のご紹介を続けて参ります。
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