食品を物質として考えたカロリー概念〜カロリーってどこまで信頼できるのか?
「うわ、カロリー摂りすぎ!」
とか
「やった!低カロリーだ〜!」
とか、カロリーを計算し、摂取量を制限することはダイエットの常識のようですが、そもそもカロリーってな〜に?
科学的定義から考えれば、1カロリーは「1mlの水の温度を摂氏で1度上昇させるために必要な熱エネルギー」であって、熱エネルギーの単なる基準でしかない。この場合の「熱」とは、脂肪の燃焼やアツい人、アツモリの熱ではなく、具体的な焚き火や炎のようなイメージの熱量です。
つまり食べ物のカロリー計算は何をしているのか?というと「机に並んだ食べ物を(水分を除いて)火をつけたらどれだけの威力で燃え上がるか」を計算しているのです。文字通り机上の空論…
あ、だから脂肪(=油はよく燃える)はカロリーが高いのかぁ、と気がついた方もいるでしょう。
何十年も前にアメリカの統計学者が、肥満度と摂取カロリーは統計的に何の関連もな い事を結論付け、「カロリー摂取量だけでは人間が痩せたり太ったりする理由を説明 できない」と発表している。つまり彼は統計学的に、血眼になってカロリー計算しても一時的にしか減量できないという事実を当時から証明していますね。
前世紀から単に食べ物がどれだけ燃えるか?という医学とは全く関係ないカロリーという数値を基準にしていたわけですが、前世紀末期(1980年代ごろ)から分子栄養学という学問が現れてきて、摂取した食べ物がどのように吸収され、どのように代謝されるか?という生理学に基づいた理論が展開されているのです。
医学的に正しくても市場が賑わうことがなければなかなかメディアにも出てこないし世の中に広がらないので、相変わらず世間ではカロリーが信仰され、医学のエキスパートたちもカロリー計算し続けていたわけです。
まぁ一昔前、この分子栄養学とパーソナルトレーニングを組み合わせてブランディングして収益を上げるシステムを作り上げたライ○ップさんの例もあるので、学問の広がりを簡単に諦めちゃいけませんよねww
民衆が飢え死にしていた食糧難の中世には、脂肪をたっぷり蓄えた人間(ルノアールの裸婦画像など)は生命力の根源として崇められていたのに、飽食で成人病が後を絶えない現代社会ではガリガリくらい痩せている方を皆が理想として崇めている。
人の世は面白いですね!
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(株)ニューログリア脳神経科学研究所
代表取締役 小林昌彦
オーストラリア王立メルボルン理科大学医学部卒業
スリランカ国立アンパーラ病院にて神経内科医として勤務
現在自然医学の治療院として、古代インド医学アーユルヴェーダ、東洋医学、古代インディアン医学などを研究統合して実践しています。
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