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詩作集・天網恢恢

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この世界はみんなで見ている夢にすぎない。そこを出発点として。
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#PSnW

そこにある何かをみんなが

そこにある何かをみんなが

そこにある何かをみんなが
つかもうとしている 
じぶんのものにしようとしている

いつか聴いたドラムのビート
心揺さぶる真実の言葉
異国の空の荒涼とした輝き

そこにあるのに掴めない何かを
じぶんのものにしようと
あがいてじだばたとしてぼくらは

調子の狂うドラムのキック
だれにも届かないよじれた寝言
ピントのぼけた無数の写真

そこにあるものを掴まなくていいのだと
いつか気づいたときこそが
きみ

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すこしおもたいのがきたので

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すこしおもたいのがきたので
おちついてことばにしてみる

いきるということには
なんのいみもないんだ
まわりからいわれたことをとりいれて
じぶんでこれがいきるいみだと
きめたいじょうのことは

いきるべきりゆうというものが
そんなようなものなので
いきるということにきちんとつながっていない
ぼくのようなそんざいは
ふとしたはずみでかんたんに
へこたれる
うんざりする
どうでもい

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[詩]暑さにうだりながら

[詩]暑さにうだりながら

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どこまでも遠くに行きたいと思った
どこにも行かなくていいと思った
ぼくの心はいつもふらふら
きみを想っていつもゆらゆら

きみとならどこまでも行けると
あのとき確かに思った
なのにここらが限界とあきらめて
いつもきみから逃げ出そうとしている

スピティ渓谷の奥深くまで踏み入って
ヒマラヤの雪を眺めながらチベット僧の勤行に
この身を震わせたい

道も通らぬアマゾンの森で狩猟採集の

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言葉なんてほんとは

言葉なんてほんとは

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言葉が出てこない。
そんな日もある。

眠れないし何も手につかない。
そんな夜もある。

タイの安宿は暑くて蚊も多くて、
よく眠れない日が続く。

そんな中、売れるかわからない翻訳を
どうにか続けているだけがぼくの存在証明で。

言葉なんてほんとは
いらないんだ。

頭の中の言葉なんか止めちまえば、
世界はいつでも微笑みかけてくる。

逆に魔物が束になってやってくることも
ある

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五つの自由律

五つの自由律

紅い蟻が そぞろ歩けば おまえの魂も

ひとり裸で 恥じているのは おれの命か

広い海で  ひとりおぼれるも ヒトの自由

胸を張れ そしてひとり歩め 裸足のけものよ

黄昏れて たそがれ尽くせば 明けの明星

[コメント、投げ銭は、お気楽に]

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