ナボコフ 詩抄 (35) Translated by Toshiya Kawamitsu
雪
あの音 この音 雪を踏む
ぎしぎし ぎしぎし ぎしぎし と
誰かが フェルトの靴で 行く
ふとく ねじれて さかさまに
軒下 つらら とがってる
雪は 不機嫌 かがやいて
あの音 この音 手は すべる
ひきずるどころか 手は すべる
わたしのかかとをノックして
光っています わたしの手
急な はたまた なだらかな
海岸 くだる その上で
フェルトのブーツで立っている
わたしは 靴ひも つかんでる
眠りに落ちる そのときに
わたしはいつでも考える
あなたは見いだすことでしょう
マフラー つつんだ 赤い顔
Snow
Translated by Toshiya Kawamitsu
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?