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小説の書き方

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2020年8月の記事一覧

【小説の書き方 132】

【小説の書き方 132】

試してみた? 失敗した? かまうことないよ。もう一度やって、もう一度失敗して、でも今度はじょうずに失敗するんだよ。

ベケット 

【通信講座】小説「ピアノに住んでる白いヘビ」 質疑応答

【通信講座】小説「ピアノに住んでる白いヘビ」 質疑応答

タイトルの着想を生かせていないのは、なぜでしょうか? もっとヘビをリアリスティックに書くべきでだったしょうか? 例えば、白く湿った鱗などの描写を入れて。ヘビが語り手の妄想なのか、現実なのかはっきりさせればよかったのでしょうか? ヘビは彼にとって現実です。
場を「病院」したのは、閉鎖病棟に閉じ込められた語り手の苦しみを強調するものでした。しかし、外に出るチャンスも作れたかもしれません。短編でそこまで

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【通信講座】小説「ピアノに住んでる白いヘビ」 講評

【通信講座】小説「ピアノに住んでる白いヘビ」 講評

タイトルのイメージはおもしろいが
この着想を生かせていない。
場を「病院」にしたことで
可能な展開の選択肢が限定され
特殊な事件を起こすことをむずかしくしている。
登場人物の行動理念が対立することもまじわることもなく
不愉快なエゴイストたちのエゴイスティックな言動がすれちがうだけで
語り手に特殊な変化をもたらすことができない。
この話がはじまる前も、終わったあとも
まったく変わらない、同じような時

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【通信講座】 小説「産まない」他 7編  講評

【通信講座】 小説「産まない」他 7編  講評

書くべき題材、書くための文体を持ち
なにより真摯に、容赦なく自己を凝視する目をそなえた作者。
自分自身を形成してきたすべての過去に対し
逃げることなく向き合い、ことばにしようという努力を惜しまなかったのが分かる。

文体は簡潔で的確、本質をつかんだ
おどろくほどするどい表現も散見される。
『産まない』は全7作の白眉で

112人の女子生徒に向かってマイクを使って言った。

温室育ちの111人の女の

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