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言葉が記憶の引き出しを開けた。「バイオリズム」って覚えてますか?

最近は聞かない言葉……「死語」で、思い出す言葉は何ですか?

言葉はナマモノ。流行した言葉ほどあっという間に過去のものとして遠ざかり、「古い」だの「死語」だのと言われます。

「古い」と言われているうちはまだいい方で、使われず思い出されもしなくなったら、完全に化石化して、記憶の地層に埋もれてしまいますね。

しかしそんな言葉が、いきなり記憶の地層から発掘されることもあるようです。


バイオリズム

今日、移動のネットの暇つぶしで、とあるつぶやき(これもやや古い。ポスト!)の中で、「バイオリズム」という言葉が出てきました。

バイオリズム?……バイオリズム!!!

いきなり頭の中で記憶の扉がざっと開きました。
私、この言葉を知っている……!

複数の曲線が絡まり合ったグラフまで、思い出されてきました。
こんなやつです。↓

1960~70年代,日本やアメリカを中心に「バイオリズム」と称する,疑似科学的な生命リズム理論が巷でブームになった。バイオリズム理論では,誕生日を起点として,知性,体力,感情が,それぞれ特定の日数で周期的に変動するとされ,バイオリズム予測と呼ばれる一種の占いに根拠を与えていた。生物学的には荒唐無稽と思われるこの学説は,全盛期には,警察,自衛隊,交通組合,企業,スポーツ界などで盛んに取り上げられ,アメリカのバイオリズム入門書には,日本があたかも「バイオリズム立国」であるかのように喧伝されたことすらあった。興味深いことに,このバイオリズム理論の成立の背景には,19世紀末の錯綜する生命リズム・ブームがあり,さらに1960年代以降の日本における大衆的な普及過程は,生命科学概念として市民権を得ている「生物時計(体内時計)」概念の社会受容過程とパラレルであった。むしろ,体内時計概念は,バイオリズム理論としばしば混同(ないし援用)され,ときにはそれを通じて(あるいはそれとの対比によって)広まったという側面がある。こうした事例は,生命やリズムに関する社会・歴史・文化的諸条件やメタファーを読み解く格好の素材であり,それらは今なお私たちの生命観やリズム観と無縁ではないと思われる。

https://hideo-iwasaki.com/cultural-study-on-biorhythm-phenomenon

確かに流行ってました、バイオリズム。1970年代、私が小学生だった頃。

誕生日から算出できたバイオリズム。「ここは調子のいい期間」「今日は気をつけなきゃいけない日だ」なんて、友だちと話していたように思います。

星占いや血液型占い、UFO、ノストラダムスの大予言とかもあるなかで、当時は科学的根拠があると信じていました。

今では根拠のないエセ科学とされているそうです。
占いやオカルトよりは科学的根拠があると信じこんでいたので、いつの間にかエセ科学になっていたのにびっくりでした。懐かしいやらおかしいやら。

一方で、似て非なる「体内時計」については、研究が進んで、睡眠のリズムやホルモンの関与、ダイエットや健康と絡まりあって、いろんな事実がわかってきていますね。

知性,体力,感情の曲線が横軸と交わる日はどうだとか、下がりきった時はこういう日だとか、いろいろあった気がします。
交わったところが「天中殺(てんちゅうさつ)」……でしたっけ???(うろ覚え)

天中殺

「天中殺」! これまた懐かしい! 

確か、何をやってもうまくいかない日です。
失敗ばかりしてぼやくときに、「今日は天中殺じゃないの?」なんて言ってました。

調べてみたら、「天中殺」はバイオリズムとまったく関係ありませんでした。
「バイオリズム」は西洋由来、「天中殺」は中国の占い「算命術」から。

1979年に、和泉宗章さんが深夜番組『11PM』内で「巨人軍は天中殺なので日本一になれない」と発言。ここから「算命術」による「天中殺」という言葉が大ブームとなりました。

天中殺は干支における「空亡」、すなわち「天が味方についていない時」ということですが、一般では「ついていない時期」ぐらいの感じの言葉として使われていました。

天中殺の時期は、その人の生年月日(そして時間)から算出できます。

https://woman.mynavi.jp/article/140112-16/

「天中殺」は、「バイオリズム」ほど遠く忘れ去ってはいませんでしたが、今使わない言葉なのはまちがいありません。

動物占い

そして、上の記事を読んでいたら思い出したのが「動物占い」。……あったあった! 好きでした!

「私はコアラ」「私はペガサス」「私は黒ひょう」なんて言いあっていました。
漫画雑誌『LaLa』で『シニカル・ヒステリー・アワー』を連載していた玖保キリコさんが描く、かわいく個性的な動物キャラが象徴でした。

こちらは流行ったのが1999年頃。社会人になって約10年の頃。雑誌の仕事をしていた仲間と話題にして楽しんでいたのを覚えています。

結構当たると思ってたんですよね。そのため、動物占いが元にした「四柱推命」は今でも結構信じています。

今は動物のキャラの絵が昔とは変わったようで、昔のイメージからするとちょっと残念です。

「言葉」がきっかけで記憶は飛べる

本当に完全に記憶の彼方に遠ざかっていました、「バイオリズム」。

こうして振り返ると、占いの流行りの歴史のようでもあり、遠い自分との再会のようでもあります。

「言葉」を思い出すことで、その時代に自分の記憶も飛べる気がします。

今は「しいたけ占い」がお気に入りです!

あなたが子供の頃に信じていた占いや、流行ったもの、懐かしい言葉があれば、ぜひ教えてください。



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