2023年 12月22日 金曜日 徒然日記 著書「劇場」(又吉直樹)と恋愛と自分…
皆さん、おはようございます。徒然日記のお時間です。今日もここから、じっくり、ゆっくり、丁寧に、そして素直に綴っていこうと思います。どうぞ最後までお付き合い下さい…
今日はまためっきりと冷え込むみたいですね。寒くてたまらず、コタツに入って在宅作業です…
さて、今日はまた、読んだ本のご紹介と感想を書いていこうと思います。
タイトルは
「劇場」
又吉直樹
という本になります。
「火花」を読んだんで、続けて又吉の作品を読みたいと思い、手に取りました。
内容は「火花」と少し似た部分があり、売れない劇作家「永田」と、ふとしたキッカケで出会った「沙希」との生活を描いた、恋愛小説になります。
又吉曰く、「恋愛経験はそんなにないけれど、だからと言って恋愛小説を書いてはいけないことはない」と言っていたのを思い出し、「なら、恋愛経験の乏しい自分が恋愛小説を読んではいけないことはない」と思い、読んでみることにしました。
読み進めると、いつまでも売れない「永田」に対して、どこまでも献身的で純粋な「沙希」に同情し、魅かれていきます…
自分にもこんな可愛らしくて純粋な彼女がいたらなぁと、思わずにはいれませんでした。
どこまでも尽くしてくれる「沙希」ですが、少しづつ疲れ擦り減っていく彼女…優しい「沙希」と全く優しくない「永田」と、正反対な二人がいたたまれなくて、少し読むのが辛くなりそうですが、二人のやり取りは面白く、どこか微笑ましいものがあります。
ちょうど凸と凹が合わさったような、二人じゃなきゃダメなんだと思わされます。
足りないパズルの欠片を補い合っている様な相性の良さを感じさせ、「永田」にしっかりしろ!と言いたくもなりますが、不思議と腹は立ちません。
全体的には読み易いのですが、「永田」と劇団員との哲学的なやりとりは、ちょっと読みづらかったです。
微笑ましいやり取りを続ける二人ですが、時にぶつかり、すれ違うこともあります。でも、それもまた付き合っているから仕方のない事で、どんなことがあっても尽くしてくれる「沙希」は偉いなぁと思うのと同時に、やはり二人じゃなきゃダメなんだと思わされます。
個人的な意見ですが、又吉の理想的な彼女を描いたのかなと感じました。
あと話は少し逸れますが、「火花」を読んで彼の哲学に触れた時、「狂ってる」って思ったけれど、「劇場」はそんなことはありませんでした。何となくですが、等身大の彼に触れられた気がしました。
どことなくだけど、「太宰治」を思わせる恋愛物語でしたが、又吉は彼に物凄く魅かれていたと言うから、それもまた頷けます…
彼への憧れ、ダメな所も良い所も、人間的に欠陥した所も全部、又吉の思いそのままが描かれている気がしました。
暖かい恋愛をしてみたい、触れてみたいという人にお勧めの一冊だなぁ、何て事を思う今日この頃でした…
追伸
今日の一曲…河村隆一 かけがえのない人