見出し画像

小説を読んで、心をかき乱され、自分の死の瞬間に思いをはせる。

一昨々日読み始めた林真理子さんの

「愉楽にて」

決して人様にはお勧めしませんが、ひさしぶりに心が揺れまくる読書体験でした。

もー、読みながら心に浮かぶよしなしごとを書き残しておきたい!

って欲望を書き立ててくれる本でした。

ぶっちゃけ、ウザくて途中で何度か読むのやめようかと思ったんですけど、「最後まで読んで良かった!!」と思えました。

なので

#挑戦してよかった

にエントリーしちゃうよ。


美と恋に生きる名家の男たちは、
書物を愛でるように、
女と情を交わし、
自由になるために、
女から愛を求める。

東京・京都・シンガポールを舞台に、
家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、
その果てに

――日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編

Amazon紹介ページより



基本的に、林真理子さんのうんこみたいな古い価値観満載なんですよ。

なので、

「けっ!!」
「クソかよ!」
「うわーぁぁぁ」
「っうっざぁぁぁぁぁぁぁ」
とかネガティブな心情ばかり。

でも時々心ゆさぶるんですよねえ。。。


大手医薬品メーカー九代目の副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ち、久坂隆之53歳。

シンガポールと東京と上海を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねてます。


基本的にいけ好かないヤツだけど、この心情描写に笑っちゃった。

久坂は何かを求めていた。

自分は動揺しているわけではない。

悲嘆にくれているわけでもなかった。

ただ今の自分にぴったりの言葉が欲しいだけである。

中略

本はここで、自分に何か教えてくれるに違いない。

林真理子 愉楽にて

めっちゃ分かる。

本当につらいとき、

僕も本に「何か」を求めちゃうわ。


まーずっともやもやしながら読み進めるけど、時々「これは!!!」って光る描写とか表現とか考え方が散りばめられてる。


まあ、経験人数3人熟成4年のレスられセカンド童貞アラフィフのくせして、

林真理子先生のセックス描写は、まだまだですのぉ。。。

なんて思っちゃったりしたけども、

冴えない秘書なハズの広瀬洋子さんの開花っぷり、、、勃起しました。

私の一押しは、広瀬洋子さん51歳です!



あとね、僕が人様の日記とかnote記事を読んで恋に落ちる理由をね、それはまたかっこよく説明してくれてんの。

「こんなことを聞くのは恥ずかしいのですが、源氏を読めば読むほど、このことが頭から離れなくなるんです。彼らはどうして一度も顔を見たこともない女に、恋い焦がれるのでしょうか。いくら伝える女房たちのPRがうまいとしても、あんな気持ちになるのがよくわかりませんね……」

「手紙ですよ」 学者は即座に答えた。

「手紙には、書いた者の教養、性格、美意識すべてが出ます。歌や文字のうまさはもちろんのこと、墨の濃淡、香の薫きしめ方、添える花や小枝、そして使いの者の容姿までが問われるのですよ。ねぇ、久坂さん……」

「女の姿かたちやない。その女の持っている美意識と心に惚れる。これが本当の恋というもんやないでしょうか。昔の人々はそういうすぐれた感情を持ってはりました」

愉楽にて


おっ、俺もそんなみやびな恋してんじゃん!

って勇気づけてくれる、みたいな?


この手紙とか和歌だけで惚れる男の言説は、百人一首の本で読んだんですよねえ。

出典忘れましたが、平安時代等々の和歌には、

・男性が詠んだ、出逢うまでの猛烈な恋心

・女性が詠んだ、通ってこなくなった男性に対する恨み節

この二つが多いそうです。

↓記事より




まー、描写されて心かき乱されるのは、

極上を知る資産家・実業家達の、

豪華絢爛たる贅沢な遊びのせいですよ。



まじうらやま。

賢いし!

教養があるし!

英語で女性を口説くし!

たくさんお金持ってるし!






でもやっぱり、みな玉、ずっと癒えない癒えない渇きに苦しんでますのお。。。

やっぱり、

どうやったら渇きが少しでもましになるのかなー、

って試行錯誤するしかないよね人生って確認したわけです。


だってこんなお金も教養も美貌(イケオジ含)を持ってても、渇きにのたうち回ってるんだもの。(ルサンチマン)




終章、久坂は死を強く意識します。

僕が本当に自分の死に直面したときに思うことは、多分、、、


















あー、セックスしたい。













まあ、日々持て余して、日々noteで垂れ流している欲望だよね。




あー、セックスしたい。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集