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親友とは同じ手段を利用する友であり同じ目的に向かう友ではない

人生を変えられた作品

 みなさんには人生を変えられたと感じる友人や作品や名言はありますか?単なるアニメオタクの戯言と斬ってもらっても構いませんが、僕は「宇宙よりも遠い場所」というアニメに人生を変えられたと思っています。

 簡単に作品を紹介するとそれぞれの目的は異なる4人の女の子が南極にいくために色々なものを犠牲にして色々なものを得て成長していく話です。

 目的は違うとはそれぞれが南極に行きたい理由が違うということです。また最初から南極を目指していた子は1人だけで他の3人はその子や他の子に感化されて南極を目指すようになります。つまり、彼女らにとって南極へ行くことは「目的」なのではなくなりたい自分になるための「手段」なのです。

僕の当時の考え方と作品内での描かれ方

 作品の紹介はこのくらいにしておいて、僕の当時の考え方と作品内での描かれ方についてお話しさせてください。

 まず、僕にはこの作品に出会う前まで致命的な欠陥を三点持っていました。
 一つ目は相手の足を引っ張ることがあろうと自分が相手のそばにいればそれは自分からの一種の愛なんだと信じ込んできたこと。「相手を愛している」とは相手のシャボン玉を壊すことがあって然るべきだと。
 二つ目に親友とは「同じ船に乗って同じ羅針盤を持って同じ目的地を目指す」人だと思っていました。
 最後に行動したいと思っても行動できない人間であったこと。

 この特性を持っていた僕は乗っている船が泥舟だとわかっていても、他に乗り換えるべき船を見つけたとしても同じ船に乗り続けてくれる人が自分が愛を向けている人で親友だと信じていました。

 でもこの作品は違かったのです。何かしたいと思っても行動できていなかった主人公。主人公の足を引っ張る(僕のその時の定義で言えば愛を持っている)親友。

 その状況で行動をした主人公。一度は主人公に対し絶交宣言をしながらも主人公から絶交無効と言われ、それ以降主人公から刺激をもらっていた親友。その2人が丁寧に描かれていました。

 僕は今までの自分の行動の一部が間違えていたとは思いつつも自分を否定することはありませんでした。それはこの作品で親友が完全なる悪役ではなく主人公と一緒の場所にはいなくとものちに成長している姿が描かれていたからだと思います。

この作品に人生を変えられたと思った瞬間

 僕はこの作品を見終わってから自分のやりたいことと本当になりたい自分を書き出すということをしました。そのノートが手元に残っていないのが残念なのですが次の日にそのノートを見た時なりたい自分が今まで思い描いていたものと違いすぎてびっくりしたのを覚えています。

 「誰かを守れる人になる。誰かを救える人になる。誰かの助けをできる人になる。ただし、相手が欲しいものを欲しい時に欲しいタイミングであげられる人のこと。親友とは同じ手段を利用する友であり同じ目的に向かう友ではない。」

 と書かれていました。今までこの言葉を信念にしています。愛とは単純に与えるものではなく相手が欲しいものを与えること。単純に与えることは愛ではなく、優しさの押し付けなのだと。

最後に

 最後になりますが、この作品内では南極へ行くという同じ手段を共有した4人の女の子は顔を知らない段階から親友までになります。また先ほどから出していた主人公の親友も主人公の言葉から行動からその手段から影響を受けて北極へ行きます。地球上で最も遠い2人の心の距離は誰よりも近かったのかもしれません。これが親友なのだと思いました。これが愛なのだと思いました。

 僕はこの作品を見てから南極へ行きたいとずっと考えています。あくまでフィクションの中でですが彼女たちが見て経験したものを実際に見て経験してみたい、と本気で思います。

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