脊柱(背骨)を理解する為の記事
昨日起きたら9:12で抽選に参加すら出来ませんでした。
小林です。
脊柱、いわゆる背骨に関して。
C(頚椎):7個
T(胸椎):12個
L(腰椎):5個
で構成され
仙骨も元々は4つの椎体からなる仙椎でしたが、成長過程で一つに纏まり仙骨と呼ばれます。
仙骨の下には尾骨が位置します。
生理的弯曲を有する点が特徴として挙げられます。
動き
頚椎や胸椎、腰椎部分はそれぞれ
屈曲・伸展や回旋・側屈といった動きを行います。
それぞれ可動域に違いが生じます。
「腰を回せ!」と野球部のバッティング練習などでよく耳にするワードありますよね。
無理です。
無理ではありませんが腰椎の回旋可動域はせいぜい5-10°前後です。
腰椎は5個ありますから、1堆の可動域は1-2°です。
要するに殆ど回旋しません。
バッティング時は体が5°を上回り大きく回旋します。歩行時も回旋しますよね。腕を振る訳ですから。
比喩表現として腰を回せなら理解出来ないこともありませんが、それにしてもアドバイスとしては不適切です。
正しくは股関節や骨盤、頚椎や胸椎が回旋している訳です。
胸椎の伸展可動域や回旋可動域が何らかの理由で損なわれると、代償的に腰椎を反ったり捻りますから、過稼働(通称ハイパーモビリティ)が生じ腰の痛みに繋がります。
逆を言えば胸椎の可動域が確保されていれば腰椎にストレスが集中する事を防げますので、ヘルニアや分離症、すべり症などの対策になります。
ヘルニアに最もなり易い部分はL4-L5辺りです。
胸椎のヘルニアって聞いたことないですよね。
これには元々の生理的弯曲が関わっています。
胸椎は元々後弯しています。が腰椎部分は元々前弯しており骨盤後傾などにより腰椎後弯する事で髄核が飛び出し、神経圧迫する事でヘルニアを誘発します。
頚椎も元々前弯していますので、胸椎と比較するとヘルニアを起こしやすいです。
そもそも腰椎は重力負荷を受けやすい位置に存在しますので、運動中に胸椎可動域を確保し、腰椎への負担を減らすことが重要になります。
腰椎の形状
だるま落としの様に平面のモノが幾つも重なっている訳ではなく、ザックリ言うと➤←これが上向きで重なったような形状をしています。
平面なら無限に回旋できそうですが、回旋時互いに引っかかることである程度回旋した状態で可動域に限界が生じます。
下部腰椎に近づくにつれ椎体は鋭角になり、上部胸椎に近づくにつれ椎体は平面に近い形状になります。
椎体の形状が理由で回旋可動域に差が生じます。
カップリングモーション
脊柱側屈時の椎体の働きを指します。
側屈時椎体は綺麗に倒れるのではなく、回旋を伴いながら側屈を行います。
文献や論文により異なりますが一般的には
上-中部胸椎に関しては同側回旋
下部胸椎-腰椎に関しては反対回旋とされています。
実際に応用すると
EX.
・右回旋が苦手かつ痛みアリ ・左回旋が得意かつ痛みナシ
としましょう。
右回旋可動域が改善すれば痛みも改善すると見立てた場合
カップリングモーションを用いて解消します。
左回旋可動域を更に出します。
すると右回旋可動域も改善する事があります。
左側屈を行う事も有効的だと考えます。
要するにその他の動作から他の可動性を確保します。
これは脊柱の一つの特徴でもあります。
腰痛においても伸展は痛いけど屈曲は痛みナシ、や
伸展・屈曲は痛いけど回旋は可能であるケースだとします。
この場合、回旋が得意な場所で更に可動域を確保してあげると疼痛が緩和する事が多々あります。
カップリングモーションを用いる事で、脊柱に対するアプローチの幅が広がると考えます。
何故、右回旋を出す際に、左回旋なのか
主に脊柱の回旋を担う筋肉は棘筋・最長筋・腸肋筋になります。
脊柱起立筋群ですね。
当然脊柱に対して遠くに付着する筋肉が回旋に対するモーメントが大きいですので、中でも腸肋筋や最長筋が回旋に与える影響が大きいです。
上記2筋ですがL1-L2以降に与える影響は殆ど無いと言われています。
最長筋はL1-L2以降から膜組織へと移行し、筋力が弱いです。
腸肋筋も同様です。
腸肋筋が最も働いている人の特徴的な姿勢は猫背や円背です。
これ以上前に体が倒れないように後ろから支えている訳です。
最後の砦として、大殿筋と共に働いています。
いわば非常用の筋肉です。
最長筋は腰椎に与える影響は限りなく弱く、胸椎に強く影響を与えます。
実際に脊柱に対応している筋肉は多裂筋になります。
脊柱起立筋は1堆づつや、エリア別(頚椎、胸椎、腰椎)な細かな仕事を不得意とします。
ドンッ!
付着していますので。
脊柱に付着していて故真中コントロールが可能になる筋肉は多裂筋になります。
多裂筋は棘突起に付着しますので、右側が拘縮すると右側屈します。
これはイメージしやすいと思います。
棘突起に付着している事から、右側が拘縮すると棘突起を軸に脊柱は左回旋します。
つまり同側側屈・反対回旋です。
↑多裂筋の特徴です。
この事から右回旋時には左側屈が起きますので、左側屈を繰り返し行う事で右回旋の改善が可能になります。
あくまで構造上での問題が生じている場合ですが。
実際には他の椎体が動かな過ぎて1か所にストレスが集中しているケースが多いですので、他の椎体の可動域を確保する事が大切です。
モーターコントロールの低下も原因の一つとして挙げられます。
椎体を動かすのが下手と言う訳です。
更には筋筋膜性の問題も考えられます。
胸腰筋膜など。
パフォーマンスや腰椎のスタビリティをを確保するうえで非常に重要な筋膜になります。
特に中間層に着目してみましょう。
腰方形筋や腰腸肋筋ですね。
脊柱の横突起に付着している。
椎体の両側にこれら筋が位置しています。
椎体が綺麗な屈曲・伸展を行うには両側の筋が均一に張力を発揮している必要が有ります。
まさにぶんぶんゴマの様に。
両側に位置する胸腰筋膜中間層が適度に伸張している事でスムーズな屈曲・伸展が可能になります。
バランスよく働いていないと屈曲・伸展時に不安定性が生じ痛みやスタビリティ低下に繋がります。
これら筋のアクティベートが改善に繋がると考えられます。
腹式呼吸など良いですね。
エラーの起きやすい部分
一般的に上-中部胸椎は回旋しやすいですが、ある条件下に置いてそれは成立します。
それは胸骨が同時に回旋してくれることです。
第1肋骨-第10肋骨は胸骨に付着していますので。
胸骨がその場に居続ける事で回旋可動域はかなり制限が掛かります。
代償的にT11-T12や腰椎、骨盤が回旋します。
胸骨が共に回旋する。これが非常に重要です。
脊柱側弯や回旋にゆがみが生じている際、胸骨は前を向いていることが多いです。
脊柱単体でのゆがみが起きやすい部分はT11-L3部分になります。
T1-T10は肋骨が胸骨に付着し、L4-L5は腸腰靭帯により固定されています。
腸腰靭帯により寛骨後傾に伴い、L4-L5もつられて動きます。
分離や滑り、ヘルニア経験のある方は一般的な脊柱の動きとかけ離れている場合が多いです。
L3までは前弯が強いけど骨盤そのモノは後傾位。とか
仙骨はニューテーションしているけど骨盤後傾。とか
要するに脊柱そのもののエラーが起きやすいポイントが
T11-L3間になります。
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