松下幸之助「忍耐の徳」
何事においても辛抱強さというものが大事だが、近ごろはどうもこの忍耐の美徳というものがおろそかにされがちで、ちょっとした困難にもすぐ参って悲鳴をあげがちである。
そして、事志とちがった時には、それをこらえてさらに精進をし、さらに力を蓄えるという気迫がまるで乏しくなり、そのことの責任はすべて他にありとして、もっぱら人をののしり、社会を責める。
これは例えば、商売で品物が売れないのは、すべて世間が悪いからだと言うのと同じことで、これでは世間は誰も相手にしてくれないであろう。
買うに足る品物であり、買って気持ちのよいサービスでなければ、人は誰も買わないのである。
だから売れなければまずみずからを反省し、じっと辛抱をしてさらに精進努力を続け、人々に喜んで買って頂けるだけの実力とおうものを、養わなければならないのである。
車の心棒(しんぼう)が弱ければ、すぐに折れてガタガタになる。
人間も辛抱がなければ、すぐに悲鳴をあげてぐらぐらになる。
おたがいに忍耐を一つの美徳として、辛抱強い働きをつづけてゆきたいものである。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
過去、仕事がどうしようもなく上手くいかないときがあったが、その時の自分を振り返ると確かに、他責、周りのせいにしていた気がする。
環境が変われば、上手く行くはずだ。私が悪いわけではない。と、表には出していなかったが心の底ではそう思っていた。
そういう時の自分は、環境に依存している状態で、弱い存在でした。
仕事が上手くいかないのは全て自分のせい、誰にも頼らず自分でやろうと、気持ちを切り替えてからやはり仕事の内容が好転し始めました。
辛いことがあっても逃げないこと、自分が成長できるチャンスととらえ、これからも前を向いて進んでいきたい。
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