松下幸之助「力をつくして」
どんな仕事でも、一生懸命、根限りに努力したときには、何となく自分で自分をいたわりたいような気持が起こってくる。
自分で自分の頭をなでたいような気持になる。
今日一日、本当によく働いた、よくつとめた、そう思うときには、疲れていながらも食事もおいしく頂けるし、気分もやわらぐ。
ホッとしたような、思い返しても何となく満足したような、そして最後には「人事をつくして天命を待つ」というような、心のやすらぎすらおぼえるものである。
力及ばずという面は多々あるにしても、及ばずながらも力をつくしたということは、おたがいにやはり慰めであり喜びであり、そしていたわりでもあろう。
この気持ちは何ものにもかえられない。
金銭にもかえられない。
金銭にかえられると思う人は、本当の仕事の喜びというものがわからない人である。
仕事の喜びを味わえない人である。
喜びを味わえない人は不幸と言えよう。
事の成否も大事だけれど、その成否を超えてなお大事なことは、力をつくすというみずからの心のうちにあるのである。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
サラリーマンを20年以上やっていて、仕事が本当に楽しい時思えてきたのはここ最近かもしれない。
そう思えるまでは、毎週日曜日の夜にサザエさん症候群に陥っていた。
今はどちらかというと逆で、日曜日の夜ワクワクしていることのほうが多い。
この違いは何か。
松下幸之助さんの言う「人事をつくして天命を待つ」の状態になれているのかもしれない。
仕事に対して逃げ腰ではなく、微力ながらも誠心誠意全力で立ち向かおうと思えたときに、私は変われたような気がする。
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