『危いことなら銭になる』(1962年・中平康)
エースの錠こと宍戸錠は、小林旭の「渡り鳥」「流れ者」、赤木圭一郎の「拳銃無頼帖」シリーズの好敵手役で、コミカルなテイストも適度に交えて、圧倒的な存在感をみせていた。昭和36(1961)年はじめ、そうした作品での活躍が観客に受けて、全国の映画館主たちの要望もあり、石原裕次郎・小林旭・赤木圭一郎・和田浩治の“日活ダイヤモンドライン”参加が内定していた。ところが裕次郎のスキーによる骨折事故、赤木圭一郎の夭折が重なり、そのタイミングで公開された錠の初主演作『ろくでなし稼業』(3月1