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図書を通じた教育の振興事業のしごと
高知県土佐町では地域おこし協力隊19名(2023年4月時点)が林業、観光、高校魅力化、デザイン、教育、スポーツの分野で活動しています。このnoteでは、協力隊の活動や人となりを伝える冊子「土佐町地域おこし協力隊新聞」に掲載している内容を電子版として紹介しています。土佐町/協力隊に興味がある方に読んでもらえればと思っています。
カルチャーショックを受け、林業の道へ。
古川佳代子(2020年4月着任)
わたしのミッションは「図書を通じた教育の振興」で、町立図書館、小中学校図書館、青木幹勇記念館など、町内の読書施設の整備と充実を推進する仕事をしています。今年度は小中学校図書館の整備を中心に活動しています。朝、図書館を開けることから仕事が始まり、授業で使う本の手配や新規購入図書の発注や各学年の図書の時間でのブックトークや読み聞かせを行なっています。それ以外の時間は全て図書の分類の修正作業に充てています。
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「日本十進分類法」というのがあって、日本全国どこの図書館でも基本的にはその分類で配架されているますが、小中学校図書館の分類は汎用性のない絵柄シールによる分類法を採用していました。これでは町立図書館やオーテピアに行って本を探すときに困ってしまうんですよね。
それで先生方と相談して、コトコトコトコト、シールを剥いでは貼り替えてを毎日やっています。この分類修正作業がわたしの今年度の一番大事な仕事かなと思うんです。基本的な図書館の活用方法を学校図書館で身に付けられれば、オーテピア(高知県立図書館)でも国立国会図書館でも、臆することなく利用できますものね。
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6歳から15歳までの9年ってすごく可能性が広がる年齢です。その時期に出会う本は、人として育つ土台をつくる大切な栄養素です。ですから学校図書館は非常に大きな責任を負う場所だと思います。子どもたちの読みたい本と学校図書館として置いておかなければならない本は必ずしもイコールではありません。授業に役立つ本や、子どもたちの読書の力を少しづつ引き上げていけるような蔵書の構成にしていきたいと思っています。背伸びさせてくれたり、ちょっと歯応えのある本を読みこなす楽しさを体感し、そこで自分の興味が広がることに喜びを見いだせる一助となる蔵書、学校図書館を目指しています。
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土佐町に来る前の話になりますが、いろいろな偶然が重なって「高知こどもの図書館」に設立から20年携わり、ラスト8年は館長もさせてもらいました。今回、また違うかたちで子どもと本に関わる仕事に声をかけていただいて、こんなにありがたいことはないと思っています。町立図書館もどんどん変わってきています。来年は「読書のまち10周年」の記念事業もあります。協力隊の任期いっぱい尽力して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
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編集後記
古川さんは任期終了後、読書推進コーディネーターとして町立図書館に勤務されています。