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今期(2022年第2クール)一番完走率の高いアニメ『であいもん』について書いてみる。

ともすればいつも通り

アニメ・本・まんがは基礎教養。

ですので、アニメは結構ちゃんとチェックすることが多いです。

まあ地方住み(かつ基本的に無課金勢)ではあるので、観られない作品や無理しなければ観られない作品はスルーが多いですけど、それなりにアニメは観て来たので、独自の観方くらいはしております。

ま、言ってみれば声優のなりそこないなので、センスのない音響監督が
何かを炸裂させてるなー、と思ったら0話でも切ります。
(まあ何喋ってももう「ピロピロ先輩」にしか聞こえない人とかはね。
その声に対して「もう一生分喰った」と思って、精神的に受け付けなかったりもするわけです。付き合いきれない物事に対して「そっ閉じ」するのも大事なこと)

最近の趣向と視点で気に入っているのは「上武の差」テーゼがある作品を観ること。
最近では『ビスクドール』がなかなか美味でした。

(とっかかりは『おお振り』で、今でも4話以前の『よりもい』を観る気力がないのも主にここに依る)。
それもおいおい出てくるでしょう。

では今シーズン(2022年第2(春)クール)ではまず2本ほど完走率の高い
(あまり溜めて観ることもなく観られる)作品の感想を準備して来たので、
まずは1本目の『であいもん』から行ってみましょう。

診断の私的ポイントは・・・。

『カレイドスター』から20年を経ての結実

やはりこのシーズンで一番注目しているのは『であいもん』になるか。
診断の私的ポイントは『カレイドスター』から20年を経ての結実。

惹句のモノローグとして「人はな。上手いもん食べたら元気になるんや」と、
お祖父さんから受けた思い出の言葉を紆余曲折あったプロセスも含めて
一果に伝えるのは美味いなぁ、と思える辺りで、流石にそこを掬い取れる
(可能の助動詞な)のはシリーズ構成が吉田玲子ならではだなと。

吉田玲子は『カレイドスター』後もガルパンなど多くの名作における
脚本の下支えとシリーズ構成が巧みな脚本家であり、流石の構成力が目立つ。
 そしてここから『ケロロ軍曹』のED26種総請負とかやってた
おいちゃんこと追崎史敏は『カレイドスター』の池田東陽PDと独立し、
池田東陽亡き後は一人で会社を切り盛りしているエンカレッジフィルムズが
『であいもん』の制作、といふ由緒になる(そういやED26種やってた
ケロロのEDは「ぼくらの合言葉」で作曲してたつじあやのさんの
曲が2話のキーになる弾き語りの挿入歌になったって縁もあるんだっけ)。

https://mora.jp/package/43000005/VTCL-60562_F/

一応昔池田東陽PDが無くなった時の話題は「愛すべきバカに対する弔辞」って形で書いていたのですが、こちらに引用出来る分だけを引用して
おきます。

では本題は「愛すべきバカに対する弔辞」でしたね。世代的にはほぼ同世代で一時代を駆け抜けたプロデューサー、2月17日に亡くなった「愛すべきバカ」にして「ゲートキーパーズ」「カレイドスター」プロデューサー、初代エンカレッジフィルムズ社長の池田東陽プロデューサーについて、少し弔辞めいたものを。


 代々木アニメーション学院からディジメーションを経て、迷走期のゴンゾに入社。
「ゲートキーパーズ」のAP時代に佐藤順一と出逢い、「カレイドスター」ではアソシエイトプロデューサーを務め、スタッフやファンからは「池P」と呼ばれるなどして慕われる存在に(「セーラームーン」が志望動機だったことからセーラー戦士5人をキャストに迎える奇跡を起こすなどして数々の伝説を打ち立てたことも)。

「ロミオ×ジュリエット」に関わったあとはゴンゾを退社し追崎史敏と共に2008年エンカレッジフィルムズを設立し、ネット配信された「おんたま!」の製作や、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の劇中アニメ『星くずうぃっちメルル』などの仕事に尽力。


 2013年の年明け頃に入院し、公式的発表は本人の遺志で岩男潤子のブログ
(2/22)で発表された(後に「弊社代表取締役の移動に関するお知らせ」としてエンカレッジフィルムズ公式HPでも発表)。
 難産だった「カレイドスター」をリアルタイムで体験し、ネットカフェで
「すごラジ」1回目の「私のダンゴムシになってよ!」を経験した同世代としては何故か奇跡を起こし続けた者が「命数を費い果たして亡くなりました」と潘恵子なアンネローゼ様に命じられたかのような驚きとある種の納得を以てようやく受け入れられた現実になるのかな、といった印象。

千葉千恵巳が2月24日に入籍報告したのも含めて一時代の変遷をしかと見守ったよう気も致します。

といふことでことで得意分野の系列図がここでどれくらい使えるか試されるわけですが。

現在はサトジュン作品だとスタジオジュニオ出身で『ケロロ軍曹』や『カレイドスター』の作画監督を務めていたクリエイターで「ロミオ×ジュリエット」を監督した後にエンカレッジフィルムズを立ち上げたもう一人でもある「おいちゃん」こと追崎史敏が代表取締役を務める
株式会社エンカレッジフィルムズの系列図はこんな感じ↓

有限会社ゴンゾ(1992.09.11設立~1999)
├←株式会社ガイナックス(GAINAX,1984.12~)から独立
└→株式会社に組織変更 株式会社ゴンゾ(1999.05~子会社化~2002)┐
      株式会社ディジメーション(1996.05設立~子会社化~2002)┤
 持株会社設立 持株会社ゴンゾ・ディジメーション・ホールディング(2000.02設立.上記2社を子会社に~2002~2004)
 ├→商号変更 株式会社ゴンゾ・ディジメーション(2002.07~2004)
 |  └→商号変更 株式会社ゴンゾ(2004.07~2009.04吸収合併)
 |    └→PDが独立 株式会社エンカレッジフィルムズ(2008.08~創業者の死去で代表取締役が交代2013.02~)


*一応GONZO時代に~スタの表記を付けなかったのは何人かの具体的な証言がある通り、株式会社ディジメーション出身だった池田東陽はゴンデジ時代にいろいろ思うところが(david productionの梶田浩司同様)あり、かなり長い間出社拒否をしていた兆候があったため、
いわゆる「プロデュースライン」といふ位置付けで半ば「社内外部団体の愚連隊」化していたフシがあり、故に独立も早かったのが真実ではある。
(ま、それ以前に代々木アニメーション学院出身の2人がこの形で独立したのも異例ではあるが納得する部分もあり、不思議なんだけど実力のある代アニ出身の敏腕PDの三指の一人に数えられたのも池田東陽、といふ突飛なPDの魅力でもあった(因みに後の二人は同期で代アニに入り、谷口悟朗が基礎を築いた後の入れ替わりにJ.C.STAFFでアニメにもエロゲにも造詣深く作品を連発した松倉友二と、ジーベックに行って
「蒼穹のファフナー」「武装錬金」「輪廻のラグランジェ」「這いよれ!ニャル子さん」などのPDを務めた千野孝敏))

メインキャストと音響スタッフは独自の表記で。
(以前私家版でこうした指標のリストを作っていたもので)
音楽■高田漣 / 音楽制作■フライングドッグ

音楽プロデューサー■深水円、福田正夫
音響監督■森下広人 / 録音調整■野口あきら

音響制作■ビットグルーヴプロモーション
音響制作担当■安野文左衣 / 録音スタジオ■STUDIO GONG
キャスト
納野和(いりの なごむ)◆島﨑信長[青二]
雪平一果◆結木梢[リマックス]
納野平伍◆小山力也{俳優座}
納野富紀◆大原さやか[俳協]

納野一光◆及川いぞう{青年座}
納野倭世◆吉田美保[BAO]

巽政◆岩崎ひろし{青年座}
お鶴さん◆ゆきのさつき[フリー]
瀬戸咲季◆永塚拓馬(アイム)
堀河美弦◆鈴木みのり(e-stone music)
美夜◆上田瞳[青二]

松風佳乃子◆髙橋ミナミ[俳協]
私市緋色◆早見沙織(アイム)
雪平巴◆松岡禎丞(アイム)
雪平真理◆坂本真綾(フォーチュレスト)

主題歌
OP:「菫」坂本真綾(フライングドッグ)


ED:「ここにある約束」であいもん(ayaho+曽我淳一)(フライングドッグ)

音楽スタッフの特筆すべきクレジットに名を連ねているのは、音楽■高田漣。
 フォークシンガーだった高田渡の子息にして、芸名だった名バイプレーヤー
大杉漣の名前のモデルとしても有名な人物。フライングドッグが音楽制作
であることもあり、一味違ってかつ雰囲気を独特なものに仕立てているのは
高田漣の音楽あってこそ、的なものに仕上がっているかと。

スタッフ
原作●浅野りん(「ヤングエース」連載/角川コミックス・エース 刊)
監督●追崎史敏
シリーズ構成●吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督●渋谷秀
宣伝プロデューサー●福田順

アニメーション制作●エンカレッジフィルムズ
アニメーション制作プロデューサー●川人憲次郎
製作●緑松
スペシャルサンクス●一般社団法人 アニメツーリズム協会
          鳴海餅本店
          京都市メディア支援センター
千人針の中にはちゃんとグループ・タックで『はれときどきぶた』作ってた頃から健在の川人憲次郎ががっしり支えている感じで、宣伝プロデューサーは福田順なのか。上田瞳や伊藤彩沙など京都弁監修があるのも耳なりに板にはついて来たような。

スペシャルサンクスクレジットで紐解く御当地アニメの色付けポイントは、
一般社団法人 アニメツーリズム協会
鳴海餅本店
京都市メディア支援センター
の3本立てでしょうか。

ここが京女の上田瞳とかを使って京都弁講座している向きもあるのは、
いかにも苦しい枷になってやせんか、とも思えますが、和菓子ノベルズ好きな人としましては

「若鮎」(から求肥の京風と餡入り文化の差異)
「あんころ」(から土用餅(土用のうなぎの餅バージョン))
そして絵としては出て来た「落とし文」など京都ならではの和菓子文化に
まつわる要素が出て来るのはやはり好物。
 まあそのあたりで「こなし」も利いているようです。
(「こなし」とは白漉し餡に小麦粉を混ぜて蒸したのちにこなしたもので、
関西の和菓子で使われるものであり、関東の上生菓子で使われる練り切り
よりも一手間かかるが重用されているもののこと)

声優的にはキートン山田も引退したうちに、結構本格的な声優事務所になりつつあるな、と感じられるリマックスの声優から。
雪平一果◆結木梢[リマックス]
アニゲーイレブンではともすれば黒歴史にしがちではある昔書いてた長編マンガにアフレコを頼む豪の者でしたが、それを受けたスペちゃんの中の人で末っ娘だったこともあり、自己肯定力も低くてブス美呼ばわりを兄弟からされてた◆和氣あず未[俳協]も充分アフタートークで黒歴史をしれっと暴露していて、当時いた先生をモデルにして全てTS化してガールズトークさせたまんがを描いてたと暴露していたのは、さすがにスペちゃんの中の人だわな、と。

まあ導入的には(2022年3月に開局した)BS松竹東急が水曜夜にちゃんと
『たまゆら~hitotose~』プログラムしてくれたのでここをセットで観るのがなかなか心地よい。
(エンカレッジフィルムズがグロス担当をしている回も『たまゆら~hitotose~』にはあるので
そこで育った渋谷秀がキャラデザに廻っている、と観るのも趣深いかと)


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