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テイラー -声をさがす物語-心の声がここにありました。
心の声を無視していませんか?
心があげる悲鳴を見ないフリ、聞こえないフリしていませんか?
心に残る後味のわるいモヤモヤの正体がわからず、放置していませんか?
「わたしは強い」と勘違いしていませんか?
自分や他人の本音と向き合っていますか?
心を楽にしたいですか?
心をすくい上げてほしいと思うことはありますか?
ひとつでも当てはまったら読んでほしい。
ご自身がとてもツラい過去を持ち、マイノリティーとしてたくさんの困難に立ち向かっている臨床心理士のみたらし加奈さんが綴る物語。
主人公のテイラーが神によって奪われた”声”を取り戻すために、たくさんの出会いを経て自分らしさを見つけていく冒険物語。
児童書ということではあるけど、10代、20代、30代、さらに上の世代と幅広く心に刺さる本。
さまざまなコンプレックスを抱えて生きる人。
呪縛から逃れられない人。
だれかの支配下に置かれてしまっている人。
固定概念に支配されている人。
世の中には数えきれないほどの人がいて、人の数だけポジティブな気持ちもしんどい気持ちも、苦しさもある。
テイラーを読んで感じたのは、心が温まるという気持ちだけではなかった。
この本の中には、孤独、ツラさ、痛み、悲しみ、切なさもたくさん詰まっている。
この感情を持っているのに表に出せず、しまい込み、ふさぎ込んでいるあなたの心を代弁してくれているかのように。
あなたの言えない「助けて」「寂しいよ」が言葉で紡いである。
この点からいけば、もしかするとかなりツラい思いをするかもしれない。
現実を突きつけられる痛みがある。
でも、その痛みをどう解消すればいいか、そのヒントも書いてある。
自分らしく生きるってどういうことか。それを知るきっかけになるだろう。
そして、上記のように自分事として突きつけられる思いと同時に、現代社会における問題、生きづらさ、この本のようなことが今日もこの世界のどこかで起きているという現実が頭に浮かぶ。
本当は助けてほしいのに、その気持ちを言葉にできず(言葉にすることも許されず)聞いてもらうことも叶わない。
そして一人で塞ぎ込んでしまっているひとがたくさんいるんだろうな。
自分の思う当たり前、自分の価値観、自分らしく生きるということ、全部自分で選んでいい。でもそれを他の人に押し付けてはいけない。それは違う。
この本はそんなことも知るきっかけにもなる。
テイラーを読んでもらえれば、自分らしく生きる選択を取れる人が増えるだろうなと思っている。
いい方向に向かう選択肢を選べるようになるだろうな。
「きみはきみのまま、自由になっていい」
自分の声をさがしてみませんか?
きっと未来は明るい。
だれでも幸せになっていいとわたしは思います。