私信 もう手遅れ
消極的な方法であっても
届かぬ願いではあっても
積極的に祈り続ける
「近づくな」・・と
ちがうから
かなしいから
わらえないから
したり顔で近づかれても
猫撫で声で近づかれても
手料理を土産に近づかれても
恐怖が体を駆け巡る
「・・・でしょ
「・・・そうでしょ
「・・・ですね
「それぞれ・・・ですね・・ふふふ
とやさしき賢者を装われても
あなたを前に
語ることを強いられる時
あなたが許容する声は
あなたは正しい
あなたは優しい
あなたは賢い
あなたは尊い
その上あなたは
幾つになっても美しく
あなた以外に
世界と神を知る人はいない
・・・・
あなたを支持し
あなたを讃え
あなたが望む
微塵も心にない羅列
そうして寿命が尽きるまで
あなたとの記憶がある限り
あなたを見かけることの無い
あなたの視界からも遠く離れて
あなたの為の嘘を吐かずに
暮らせるように
祈り続ける
あなたとの
何もかもは
もう
手遅れ
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