私信　自己実現

あなたは
現実の世界で
「皇室」だ「改憲」だ「核武装」だと
声を限りに謳いすぎて
誰もがあなたを遠く離れた
 
あなたは
主戦場の仮想空間に
「非核論者」として現れて
「本能として核保有を許せない」と言い出して
「本能に由る戦略的理由」によって
「非核を謳う」と宣言をする
 
あなたにとって
「ヒロシマ」「ナガサキ」は
他国に対する優越的外交の「強み」で
悲惨な経験として他国に「同情」され
被爆からの復興は他国から「尊敬」される
そのための「道具」
 
あなたにとって
「非核」は
宣言することで国際社会に「存在感」を示し
実践を貫くことで多国の「尊敬」と「支持」を得る
そのための「道具」

あなたの「本能」は
世界から同情され、尊敬され、支持されたくて
世界に存在感を増すために発動し
失望と不信感とを抱かれないために発動し
他国に対する優越性をなくさないために発動する
そして
 あなたは
「日本の核保有」は
「失望と不信感」を他国に懐かれ
「優越性が消滅」し
「外交的戦略の失敗」だと言葉を並べて
下心を覆い隠す

けれども
あなたは
「被爆」は「むごい経験」とは言いながら
「世界」のための「非核」とは
決して言わない

発動する「本能」が成就するよう
「平和」を文脈に挟みながら
「非核」の二文字を繰り返す

あなたが語る「日本の美徳」は
あなたが語れば「皇尊（すめらみこと）」は
「自意識」を具現する呪文となり果て
謳い始めた「非核」の二文字は
呪文を高揚させる麻薬となり果てた

「日本」を「あなた」に置き換えた時
美徳を備え
他者に優越し
世間から、同情され、尊敬され、支持され、存在感を増したい
「あなたの欲求」が顕わになる

もはや
あなたが使う「本能」は
「ありたいあなた」を承認させたい「自意識」で　

あなたは
「日本」の名を被り
「本能」に転化して
「非核」を謳いながら
「日本人として誇りを持って生き抜く」
と、高らかに自己実現を宣言する