刹那な余生
あなたは
とうに還暦を超え
あなたの世間だけを気にして
あなたの癇癪のはけ口を捜して
あなた一人が正しいために
今この瞬間を承認させたい
あなた以外を陥れても
あなたは
あなたにとっての不都合の
あなたが作った
あなたの事実を
「記憶にない」と首を振り
「悪いけれど記憶にない」と繰り返す
あなたは
あなたの事実を知る人を
「癇癪持ち」と物語り
あなたの事実を述ぶ人を
「大嘘つき」と物語る
あなたは
覇権に現(うつつ)を抜かし
狭まる視界に慣れながら
息苦しさに慣れながら
刹那な大国に不死を重ねて
手段を選ばず余生を埋める
そんな刹那な余生に埋もれる