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本物と達人
はじめに
みなさまは、「武道」や「格闘技」お好きですか?
お好きな方もいればそうでない方もおられると思います。
私はあまり興味がないタイプです。
ただし柔道なり、剣道なり、なんであれ「道」を究めようとされるような方には、凄く興味があります。
なぜなら、「道」とつくものは、そのジャンルを飛び越えて、万人の実生活や仕事などに直結するものだからです。
今回はそんな意味で、むしろ普段「武道」などとは疎遠なあなたこそ、是非お読みいただきたい内容です。
「本物」のみが放つ圧倒的な輝き
なんの世界でも「本物」と言われるものがある。
それは「物」でも「人」でも垣根を問わずである。
「偽物」「まがい物」のなかで、「本物」は際立っていなくてはならない。
瞬時に、「いや、こいつはすごい」というオーラを発していなくてはならない。
ときに「参りました」「完敗です」と、人をして言わしめるものでなくてはならない。
それら「ならない」というのは、もちろんそれを見分ける基準になる判断力
だ。
それが「物」の世界の場合は結構「ゆらぎ」があることがある。
いわゆる真贋を見る目というものが、人によってばらつきがあるうえに、「みんなが本物といってるから」という付和雷同組が少なからず存在するからだ。
たとえばルイ・ヴィトンなどのブランド品。
芸能人やセレブなどが、それを持っていた、身に着けていたなどというだけで人気に火のつく現象。
私などの若いころから、パリの本店にそれを求めて日本人観光客が殺到、彼の地のパリジェンヌや評論家から失笑を買う、などの現象もみられた。
「もともと貴族らが召使に持たせたような品物を、女子大生が普通に持っている。なんとも貧相な自尊心だなあ」
なんて。
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しかし、これが「人」の場合は、そうはいかない。
もちろん、偽物まがい物が跋扈する中でのことだが、本物の持つ「光」はだれの目にも届く。
同時に、その光を前にすると、偽物まがい物のイミテーションの光彩はあっという間にくすみ、単なる道端の石ころになってしまう。
空手の達人の攻めを軽々とかわす
ここに既に原稿がある。
みなさまご存じの合気道開祖・植芝盛平翁についてのもの。
例によって(「成親僧都」、「阿波研造」のお話しに続いて)20年前の記事で、今回ばかりはそのままというわけにいかないことに気づいた。
というのも読み返してみてどーも、合気道のアウトラインをなぞっただけで面白みがないからだ。
どーしたものか、と思案していて、ふと植芝さんのYouTube動画があったことを思い出し、それを貼ることでいいかな? くらいに考えて「合気道」の動画をいろいろ眺めていたんですね。
植芝盛平翁にはお弟子さんがたくさんおられた。
中でも、塩田剛三氏の神業は知っていたが、ふとそこに比較的若手の顔があった。
お名前は、白川 竜次さん(※もちろん”業界”では有名な人なんでしょうが、ここは合気道という名前は知ってるがそれっていったい何? という私同様レベルの読者が対象です)
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=同塾HPより
小柄の今風の一見なんでもない若者(年齢不詳)? の印象で、そこにYouTubeの登録者数30万人、ツイッターやインスタもやってるというからアレなのかな?くらいに何気なく目をやったのが、
「極真空手世界王者 纐纈のYouTube道場=忖度なし!本気で胸ぐら掴んだ極真世界王者でも倒せるのか?【白川竜次先生】」(末尾に貼ってます!)
でした。
極真空手史上初の世界大会3連覇というもはや「神」的存在・纐纈 卓真(こうけつ ・たくま)さんのYouTubeチャンネル。
そこに二人が対峙する。
ダメになりました。
もう書く気がしません。
唖然茫然。
投げ技を食らって気絶状態
なほど凄い、凄すぎる!
優れた剣の使い手は相手の腕が見抜ける。
一太刀交えるそれ以前に、相手の佇まい物腰を見てわかるという。
「おぬしできるな?」と言うやつだ。
それがもし自分を上回る場合、真剣勝負では即「死」をも意味する。
なんだかんだ、講釈の前に、百聞は一見に如かず。
「精神論」ほどつまらないものはない。
そこで、やはり一番面白いのは、「試合」だろう。
しかも他流試合。
それは、童心(男心?)をくすぐる何かがある。
カブトムシ対クワガタから始まり、
「猛獣いざ戦わば」(←表現古い)の
ゾウ対ライオンなどなど
とか、
「ガメラ対ギャオス」とか「ゴジラ対モスラ」(←骨董級)
とか・・・。
そして人の世界では、
他流試合もいろいろあるが、なかでも現代で歴史的なトピックになったのは、あの故・アントニオ猪木さんと、モハメド・アリの「格闘技世界一決定戦」だろう。
私がそこに見たのは、しかしそれを遥かに上回るものだった。
白川さんと纐纈 さん。
もちろん、それは「試合」ではなく「稽古」である。
それでも、そこにすべてを物語るに足る、私をして「土下座でも何でもします」と言わしめた(言ってない!)あるものがあったからである。
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無敵の「教えてもらう」という謙虚な姿勢
相手は、ただものではないですよ。
あの極真空手の雄ですよ。
しかし白川さんの場合、それに対してなんの臆するところがない。
普通のその辺の素人に対するがごとし。
まるで、営業マンが次から次とクライアント先に表敬訪問するように、
選挙中の議員が農家のおっさんや主婦らにあいさつに行くように、彼とあいさつするや、流れるような演舞を披露して即、技に入ります。
纐纈 さんに、胸ぐらをつかめと言い、思いっきり揺さぶるくらいに捕まえられた手を、するっとかわした瞬間、纐纈 さんは宙を舞います。
恐れ入りました。
もちろん白川さんもそうですが、投げられた纐纈 さん。
なぜ投げられたか、意味不明の纐纈 さん、すぐさま身を起こすと再度白川さんに挑みかかります。何度やっても同じこと。
ここに纐纈 さんの凄さ、強さが表れています。
むしろ、私はそこに感じ入りました。
投げられながら、学ぼうとする精神
です。
このことは、次にご紹介している動画での白川さんにも言えます。
影武流合氣体術というゴッツイ武術の13代目当主・雨宮宏樹さんとのコラボ。
ここでは、白川さんが稽古をつけてもらう側。
雨宮さんは、白川さんを投げつつ「すごいなあ」の連発。
ご自分の「技」が白川さんにはあまり堪えてないことを悟ったからだ。
ちなみにその「技」はあくまでも実践の武術が基盤にある影武流。「荒業」の連発らしい。
雨宮さんは、ご自分で白川さんを投げつつ、のっけから「すごい」「信じられない」と驚嘆される。
「すげー勉強になります」
という雨宮さんはさすがに一門のご当主。
素晴らしい姿勢だ。
普通はおかけになった技はかなり「痛い」はずが、
(その技に)「逆らわないじゃないですか」と雨宮さん。
それを白川さんに問いただすと、白川さん、なんて答えたと思いますか?
「受け入れています」
「受け入れて、いなすって感じで」
「私は先生の技、エネルギーを感じて、体感して、先生の力を学べるっていう受け身なんです」
「合気道では、技を習うよりも、投げられることをありがたく思う。そこで学べるからです」
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技を掛けつつ相手に感嘆
(私はもちろんここに挙げた先生方の実生活は知らないわけですが、少なくともこと道場に入れば)みなさん、実に謙虚で、常に相手から学ぼうという精神がみなぎっています。
見ていて、ホントに気持ちのいいものです。
みなさん、さわやかな笑顔が印象深いです。
その意味で、この白川先生を投げて、すぐさま「すごいわ」と見抜いた雨宮先生ご本人も凄いのですが、
「自分よりも技なり格が上と見た者には即、それを認め、教えを乞う姿勢」
これが大事なんです。
これこそが、東洋の「道」の精神です。
ご本人がどんなに偉く一流の人であってもです。
(でも、コレって簡単ですよね? 難しくしちゃってるのは私たちの方です)
競うのではないんです。
技が上だからどーのではないんです。
そこに対峙しているものはこの世の身体であり、それの優劣はどーでもいい。
それを超えた世界で、両者が一体となっている
そこです。
アセンションがなんたらかんたらという理屈ではないんです。
マトリックスがどーのではない。
そんなものチャンチャラ可笑しい世界が、
そこなんです。
それらは、情報ではないですよ。
情報でアセンションした人いますか?
情報が目的ではないです。
目的はアセンションです。
それは禅でいう不立文字です。
老子でいう「知る者は言わず言う者は知らず」です。
本来「瞑想」などの「行」を通して自覚するものです。
それを「道」という形にしたのが日本精神です。
それはアセンションの入口です
いま私が書いた「認識」は、アセンションの入口です。
少なくとも、その認識がなくてはそこに入ることが出来ません。
それは、赤ン坊のように素直であればだれでも即座に入れるものです。
しかし、あなたもおそらくそうお思いでしょうが、世の中の「先生」と言われるものほど、どーもこの認識に欠ける方が多い。
その障害になるものが、私が前に書いた「枷」でも指摘した「沽券」だし「増上慢」らですね。
私は、その方がどんなに立派なことを述べ、どんなに高い地位がおありだとしても、上記の認識がない方であったら信用しないことにしています。
また、その方が最低の地位にいて、無学な方であっても、そこに上記精神を持っておられるならば、むしろ尊敬します。
師というものは、何ものからも学び、これでよしとせず、むしろ「自分を信ずるな」「自分を乗り越えろ」という人です。
以下、動画を挙げますね。
正直、武道や格闘技にお詳しくない方でも、見始めたら病みつきになりますよ。覚悟はいいですか??
もう、本日はためになって面白いYouTubeを見まくりましょう😅
とんでもなく鍛え上げられた屈強の男をものともせずに・・・。↓
続編はこちら
影武流合氣体術13代目当主・雨宮宏樹氏との素晴らしい技と技、心と心との出会い、ふれあい↓
※このほか、多少”受け狙い”がありますが、実際に”大受け”してしまう面白い系がこちら(合気道の技は勉強になります。空手中量級の世界チャンピオン・福地勇人さんも登場しますよ)。
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みなさまへ
毎度お疲れさまでした。
お気づきですね?
またやらかしてしまいました。
今回のお題「植芝盛平翁」についての原稿がそこに置いたまま。
それはまたの機会にご紹介させていただきます。
それでは、私も30万人目指して、チャンネル登録ヨロシクね💦
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