あなたを選んでくれるもの
最近、”インタビューしたい!!”という熱が私の中で沸々と湧き出している。私の目標は、ポートランドの起業家にインタビューし、起業に到るまでのライフストーリーを聴き、『ポートランドの起業家に学ぶ、等身大起業の始め方』という本を出版することだ。しかし、生まれてこの方、昨年のポートランドで突発的に何人か、現地のユニークな団体にインタビューする機会を得た以外、インタビューなんてしたことがない。
「インタビューのコツやポイントが掴める本はないですか?」と自由大学学長の深井次郎さんに質問した所勧めて頂いたのが、ミランダ・ジュライの『あなたを選んでくれるもの』という本だ。本を購入する前に、ミランダ・ジュライという著者について、ネットで調べたのだが、何だかとても奇抜なアーティスト、という印象を受けた。ちょっとなかなか一筋縄では理解出来ないような芸術センスの持ち主、私の周りにはなかなか居ない人、というイメージだった。
普段は、1冊の本を読むのに早くても1週間以上かかるのだが、『あなたを選んでくれるもの』は2日で読み終えた。
最も印象に残ったのは、下記の描写だ。ミランダ自身がインタビューをする過程で感じたことが記述されているが、あたかも私自身がミランダの感情を追体験しているかのような気持ちにさせられた。
「もしかしたらわたしは、自分の感覚や想像力のおよぶ範囲が、世界の中のもう一つの世界、つまりインターネットによって知らず知らず狭められて行くのを恐れていたのかもしれない。ネットの外にある物事は自分から遠くなり、かわりにネットの中のすべてが痛いくらいに存在感を放っていた。顔も名前も知らない人たちのブログは毎日読まずにはいられないのに、すぐ近くにいる、でもネット上にいない人たちは、立体感を失って、ペラペラのマンガみたいな存在になりかけていた。」(出典:あなたを選んでくれるもの ミランダ・ジュライ 岸本佐知子訳 ブリジット・サイアー写真)
ミランダのインタビューを通すと、一般人の暮らしが大変奇抜や特異で、ユニークな物語のように思えてくる。きっと感受性が豊かな人なんだろうなと想像しながら読み進めた。ただし、彼女の想像力が豊か過ぎる故に読んでいると、時々自分の頭がクラクラしそうになる。
言葉が翻訳されているのもあってか、なぜ、ミランダ・ジュライのインタビューが一般人の人生をユニークで濃密な物と感じさせるのか、という肝心の部分に関しては一度読んだだけでは全く分からない(涙)読み物としてはオススメだが、インタビュー上手になるためのコツやポイントが掴めるか、という観点で言うと個人的には微妙だなぁと感じた。読後感が何とも不思議な感じで、言葉で表現出来ないのだ。是非読まれた方の感想を伺ってみたいです!
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