ガストロノミーの世界と決別したフレンチ料理人
東京都大田区内で、「とんかつカンティーヌ ゆめみるこぶた」という飲食店を一人で運営しています。
ここでの投稿の目的は店のアピールではなく、日々自分が考えていることの整理とまとめです。
あとそこからなにか、議論や思考の小さなきっかけを、周りに提供できたらなとは思っています。
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「カスハラ問題」について考える③ 「迷惑」とは何か?「カスハラ」は異常人物の特殊問題、「迷惑」は私たち全員が知らず知らずに関わっているのかもしれない問題。目を向けてみたい二つの背景
(続き) 前回の投稿からだいぶ間が空きました。なかなか落ち着いて文章を書く余裕が作れず、気が付いたらけっこうな時間が経っています。 それにしても、この間に…驚くほど、「カスハラ」に関する言説を目にするようになりました。 私がこういう仕事をしているから、興味関心に関連する記事としてヤフーニュースやグーグルニュースで流れてきているというのもあるかと思ったのですが、実際にはそれ以上に、新聞や一般ニュースで目にすることが、本当に増えました。日経新聞を毎日読んでいますが、日経の中
「カスハラ問題」について考える② 社会の構造的問題として本当に考えるべきなのは、ニュースになるレベルの「カスハラ」客ではなく、それ未満の「迷惑」客である、という考え方
(続き) 前回の投稿「カスハラ問題を考える①」では、以下の論点を立ち上げました。 1)「カスハラ問題」の頻発とその悪影響のインパクトが、ここ最近で急激に、社会的に認知されるようになってきている 2)しかし「カスハラ」という言葉じたいが、現段階ではあいまいで、明らかに実害を伴う問題としての「カスハラ行為」「カスハラ人物」と、それ未満の「迷惑行為」「迷惑人物」との間にあるグラデーションまでをも含めて語られておらず、問題の全体像や構造の分析がなおざりにされたまま、真に問題解決
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「カスハラ問題」について考える① カスハラ問題は、接客・サービス業という「業界」、あるいは一部の非常識な「個人」、という局所的な問題ではなく、日本社会の構造の現われと言える問題なのではないか
ここ最近(1~2カ月)で、「カスハラ」(カスタマーハラスメント)という言葉を聞いた、目にした、という方は、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。 普通の社会面でのニュースだけでなく、ビジネスの世界、あるいは行政においても、この「カスハラ問題」に対してどう考えるべきか、どう対処すべきか、という言説が、急激に増えてきたように思います。 とはいえ、この問題は、小売・飲食・宿泊業などの接客・サービス系の「業界問題」であって、自分とは特に関係はない、と捉えられている方が、大半で