「僕は君たちに武器を配りたい」を短く要約
この本は瀧本さんが私たち若者に向けて
「最低限の給料で、でも生活のためにさながら奴隷のように働くことのないように」「非常で残酷な日本社会を生き抜くために」
書かれた本です。
かつてアリストテレスは「奴隷とは何か?」という問いに、「ものを言う道具」と答えました。いまの世の中を見ても、けっこうな数の「ものを言う道具」の人がいて、一応ものは言って人間のかたちはしてるんですけど、自分の頭で考えてない人があまりに多いと述べています。なかなか辛口ですね。ただこの本の良いところは批判しているだけではなく、武器を手に入れる方法を教えてくれます。
そもそも何故、最低限の給料で日々生活するだけでいっぱいいっぱいなんでしょうか。それは雇用側は従業員が最低限生活できるレベルの金額しか払いたくないからです。経済の基本は仕入れて売るです。であれば仕入れはなるべく安くしたいですよね。その仕入るものが例えば歯ブラシや石鹸などどこで買っても最低限同じ性能であるならば、安いものを選ぶはずです。歯ブラシや石鹸など基本的に性能の差がないものをコモディティと呼びます。ものだけでなく人も同じように他の人とスキルや能力(性能)の差がない人をコモディティであります。コモディティの弊害は「徹底的に買い叩かれること」です。コモディティである以上安さを売りにするしかなく、しかも雇用側として簡単に手に入るので「どうか人並みの暮らしができる」レベルの給与で良く、メンテナンス費だけ必要な機械みたいなですね。コモディティの対義語をスペシャリティといいます。スペシャリティは代替不可能な唯一の人です。
スペシャリティになるために以下のことをすると良いと述べています。
これまでの仕組みの中で努力するのではなく、まず資本主義の仕組みをよく理解して、どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのか熟知する。
まず、どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのかについて考えます。コモディティとスペシャリティの違いは代替可能かどうかです。ゼロイチで考えるのは難しいので代替が容易かで考えるのが良いと思います。例えば、ただの飲食店の店員であれば代替は容易であることが多いでしょう。対して、その店員さん目当てにたくさんのお客さんがくるのであれば代替は容易ではないと考えられます。このように能力や経験、影響力などがコモディティとスペシャリティを分ける要素です。
資本主義の仕組みについて。瀧本さんは資本主義で成功している人は次の6つのタイプの一つまたは複数に当てはまると述べています。
・トレーダー
・エキスパート
・マーケター
・イノベーター
・リーダー
・インベスター
しかし、この中の2つは今後生き残れないらしいです。それはトレーダーとエキスパートです。トレーダーはものを流して利益を得ている人ですが、グローバル化と情報格差の縮小によって利益が減っていくだろうと予想しています。エキスパートは時代の変化の速さと技術の進歩で一つの専門性では生きていくことはできないと予想しています。
とは言っても私たち若者は実際どうしたら良いのか。
これは述べられていたことではなく、私の意見です。ある程度のエキスパートを目指すべきだと思います。確かに40,50年一つの専門性で食っていくのはリスクが高いように思います。ただ、100~1000人に1人程度のエキスパートであれば数年から10年ほどでなることができます。その知識経験から洞察力の高いマーケター、新しいことを興すイノベーター、若手を率いるリーダー、時代の流れを読めるインベスターになれます。エキスパートが入り口になるということです。実際、瀧本さんも本の中で起業したい学生に対して、まずは会社に入ってみてその業種や業界の深い知見を得ることが良いとアドバイスすると書いてあります。
個人的にはなぜ学生起業が失敗するか書かれていてすごく面白かったです。気になる方はぜひ読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!!!
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