『セヴン・アイズ』最終話
ジュンローの左目に再び光が宿ることはなかった。
それでもすぐにバンドのメンバーを集めはじめた。
ジュンローにとって、バンドが全てだった。
1年後、瞳の部分が赤い義眼をはめたジュンローは、
地下にある音楽スタジオで数日後に控えたライブの
リハーサルを行なっていた。
バンドの名前は『セブン・アイズ』。
4人の目玉の数からジュンローが名付けた。
リハーサルは、持ち時間を少しオーバーして終わった。
地下のスタジオから地上に這い出ると
空は季節っぱずれに晴れ、まるで春のような陽気だっ