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日の当たる本棚
2023年3月12日 13:45
10代の頃、いわゆる夜の街をフラフラと歩いていた頃があった。パーカーに膝上までのショートパンツ、素足に短い靴下とスニーカー。背負ったリュックには図書館で借りた本と捨てきれなかった夢の残骸みたいな参考書が入っていた。よく声をかけられたのは、今思えば家出少女に見えたからなのかもしれない。可愛くもない地味な子供にそぐわない街。そこに行くだけで少し心が満たされて、家に帰る時間も遅らせることができたから
2023年3月12日 13:39
あの頃の私は一体何を探していたのだろう。嘘の笑顔で仕事をし、家に帰って化粧して、いつもと全く違う雰囲気の服で出掛けていく。初めて店の前に立った時、よく一人で来たねとママに言われた。お洒落しても抜け切らない地味さと、学生に見られる事も多い髪型から、そこにそぐわない人間に思われたのだろう。店には様々な人がいた。スポーツの大会帰りだと言葉少なに話す女性は、知らない人に乱暴に犯されたくて堪らな