明けない夜とカウントダウンと
昨年の10月末に新型コロナに感染してから、本当に体調が良くない。
1週間経っても抗体検査キットでは陽性が出るし、医者に行くと「まあ、陽性が出てももう感染力はないはず」って言われてホントかよ!って思ったけど、下痢も吐き気も治まらないし、体重は5kg近く落ちるし、とりあえず2週間ほど仕事を休んだ 。
コロナ後遺症についていろいろ調べてみると、倦怠感が一番多いけど、抑うつ症状も結構ある。僕には「鬱病」「適応障害」の持病があるので、どうもそれが今までより強く出ている実感があった。ほんと、布団に寝てばかり。心療内科の主治医に相談したところ、「私だってコロナ後遺症のことは分からないわよ!」と言われたが、診断書は「コロナ後遺症」も併記してくれて1ヶ月ほど休職することにした。
1ヶ月の休職でちょっとは元気になって復職はしたんだけど、やっぱり本調子にならない(まあ、そもそも僕の本調子は怪しいものだが)。年末年始は何とか過ごしたが、やはり気持ちが上がってこない。冬は「季節性うつ病」になりやすいときだが、それでも例年とは調子が違う。「コロナ後遺症の予防には最低でも2ヶ月の休養は必要」という記事も読み、思い切って1ヶ月半再度休職することにした。
これだけ休むと、病気以外のいろんなことがストレスになってくる。僕の場合は「特別支援教育」に関わっていることもあり、休んでいる間は「障害のある子ども」への支援はどうしても薄手にある。ただでさえ教員が足りない昨今、「支援教育」の教員はいつも人手不足だ。他の教員へ負担をかけていることもとても気になってくる。「こんなんでいいんのかな」という気持ちになってくる。
そして、「障害のある子」ほど手厚い支援が必要だ。出勤していない僕にはできない。僕は一体何をしているのだろう。どんどん気持ちが落ちていくのをどうしようもなかった。
学期末には復職できたのだけど、心に巣くった闇は、なかなかどうして何とかできるものではなかった。
新学期になり、僕は小3の担当になった。教師生活初めての「10歳の壁を越えていない子ども」、いやあ毎日が刺激的だった。高学年や中学生とは全然違うね。とても勉強になった。
4月は何とか乗り切ったんだけど、僕のいつものこと、5月になると大幅に体調を崩す。疲れも出るんだろうけど、気温の変化の激しい気候もキツい。第2週目からどうしようもない「倦怠感」と「抑うつ」がやってきた。
コロナ後遺症で持病が出やすくなっているところに、季節の大幅な変化、そして初めて担当する「小学校3年生」。僕はずっと「言葉」での指導が中心だったけど、それが通用しない…
新しい環境に上手くなじめないとき、得てして人は「適応障害」になる。僕は崩れ去った。
「特別支援教育士」の基本単位は全て所得し、後は最終試験を受けるだけ。ここまで4年間頑張ってきたけど、僕にそもそもそんな力はあるのか。低学年、中学年に十分な対応ができない僕は、単なる「頭でっかち」ではないのか。
自分の「知識」を十分生かす「技術」もなく、「公立学校を38年間経験しました!」なんて「嘘」だな。もうやめてしまったらいいんだ。こんな休職ばかりして、子どもにしっかりした支援のできなかった人間は。
苦しかった、この2ヶ月の休職は。そして、僕は復職した。理想なんてない。5年前から60歳で退職するつもりだったから、残り250日。そう、カウントダウン。これだけなら何とかなるかなって。
そして、僕の深い闇は、そう簡単に明けそうではない。