酒と泪と生きる希望と②
39歳で初めて倒れたとき、出会った心療内科の先生が評判の名医で、処方された薬もよく合って、僕はみるみる回復していった。夜も眠られるようになり、運動不足にならないように毎日のように裏山を歩き回り、シャワーを浴びて昼寝をする。それまでより健康的な生活だった。
山道を歩いていると、道端に咲いている花がとても美しく見える。沈むゆく夕陽の赤さが目に沁みる。「ああ、世界は何て美しいんだ。こんなことすっかり忘れていたな」と思い、今回の休憩は神様のくれた休みだと思った。
そのうち子どもが生ま