優しい時間が流れる場所で | ちいさなお茶会
こんにちは。
みなさん、
今年も それぞれ、
ほんとうにおつかれさまでした。
ひとりひとりの
心休まるお正月となりますように。
私も今日から岡山へ帰ります。
家族の、孫に喜ぶ顔と、
久しぶりの友人との再会、
おいしいご飯とお酒。
たのしみです。
*
さてさて、
「 喫茶みずうみ ちいさなお茶会 」。
前回は、
開催に至るまでの心の内と
周りの方に助けてもらいながら、一歩ずつ進んでいるわたしについて書きました。
今回は、
お茶会に欠かせない
おやつと、とっておきの珈琲について書きます。
まず、
当初は地域への恩返しとして
親子向けのクリスマスイベントを考えていましたが、
土日や冬休みは会場レンタルが難しいことから
企画が白紙に戻ったところから。
お礼がしたいのに
お金をいただいて普通のカフェ営業をするのって
どうなんだろう?
と悩んだ結果、
「他にはないほどとってもお得なおやつプレート」
という案で落ち着いたのでした。
私らしく単純。(笑)
「三種の素朴なおやつプレート」
内容は、
◼︎いちごのロールケーキ
◼︎紅玉りんごの朝焼きケイク
紅玉りんごは、青森の農家さんからお取り寄せしました。
◼︎発酵あんことお豆腐白玉あんみつ
なぜこの三種なの?
私は「喫茶みずうみ」の名前で
やっぱり行事ごとのお知らせにはInstagramがいるよなぁと頑張って投稿している(笑)のですが、
そのなかでロールケーキとあんみつが一番反響があったから。
直接会った時、「あれ食べたい〜!」と言ってもらったものたち。
皆さんが、美味しそうだなぁって思ってくれたものをひとつのプレートにして、お届けしました。
*
そしてそして!
お待ちかね、珈琲は、
地元岡山、児島の calma coffee roasters さんにお願いしました。
海が広がる穏やかなまちで、
珈琲を通した繋がりを築きつつ
今、実店舗のコーヒースタンドオープンに向け
絶賛、準備中です。
ずっと応援してくださってる方は
「おや?」とお気づきかもしれませんが
鞆の浦「ありそろう」さんでの出店の
きっかけをくれた人。
共に、カウンターへ立った人。
色々な葛藤もお持ちだと思うけど、
表面にはそれを感じさせないほど
人との緩やかな繋がりを広げられている。
あれから、
きっとその繋がりの中で
新たな出会いやきっかけがあり、
実店舗オープンを決意されたのだと思う。
なかなか会えていないけど、
また話を聞きたいなあ〜。
*
準備のさなか、忙しいだろうなあ…と思いつつお願いしちゃったのだけど、快くお返事をくれました。
お馴染みの浅煎の珈琲もとっても美味しいのですが、
今回はブレンドを作ってくれました!
ブレンドも定番のものがあるのかな?と思っていたけど、届いた箱を開けてびっくり!
オリジナルブレンドを作ってくれたんだ!
いつかお店を持った時。
珈琲屋さんにお店のブレンドを作ってもらうことも夢だったので、
すでにひとつ夢が叶ったような、
じわぁっとあたたかい気持ちになりました。
ポストカードへ、
はまださんのいつもの配合(レシピ)も添えてくれていて。
サービスしすぎな気配りに、顔が綻ぶ。
私も応援しているし、向こうも応援してくれている。
よし、当日、がんばろう!
*
そして迎えた、前日の仕込み。
あんみつの素材の用意、ロールケーキのスポンジを焼いて、巻いて、りんごを煮て・・・
久しぶりのキッチンで、お家で作る倍以上の量。
まだまだ慣れません。
なんとか、目標にしていた時間から30分押して仕込みも終えたところで、サプライズなご訪問。
noteで知り合って、
仲間と立ち上げたデイサービスオープンの際、出店の機会をくれた
デイサービスSoda の 千香さん です。
平日の開催なので
来てもらうのは難しいだろうなあと思いつつ
思い切ってお誘いの連絡をしてみたところ、
喫茶当日はお仕事だけど
前日に会いに行ってもいいですか?と言ってくれて。
Sodaさんのその後のおはなしが聞けてほっこり。
なんとなんと、
可愛いクリスマスの包みにくるまれた焼き菓子の贈りものまで。涙
そのときだけじゃなく
こうしてつながりが続いているのがとっても嬉しくて、千香さんもそう言ってくれて、
私は幸せ者だなあ。
出会ってきたみんなが、
それぞれの場所で自分らしく在ることに
元気と刺激をもらい、また頑張れる。
*
いよいよ当日。
世は寒暖差の嵐、悪さをするウイルスの蔓延、etc。
色々なことが重なって
「本当にお客さんが一人もこなかったらどうしよう。。。」と前夜はなかば半泣き状態でしたが
ここまできたら やるしかない!
また新たな出会いのかけらを楽しみに、
朝の仕込みも無事終えて、
11:00、ドキドキしながらオープンします。
・・・
待つこと30分、お客さんは一人も来ません。
今までの出店では
Instagramのストーリーを逐一投稿する暇などなくて
今日はゆったり投稿できるなぁと思いつつ、
その状況に焦り始めていたそのとき。
一人目のお客さまが、ちっちゃなもう一人のお客さまと遊びに来てくれました!
嬉しかったあ。
お会いできて嬉しい気持ち。
ようやくお客さんが来てくれてほっとした気持ち。
さてこれからという背筋が伸びる思い。緊張感。
これから何度出店を重ねても、
一人目のお客さんとお会いする時の気持ちは
忘れないだろうなあ。
それからは、
ぽつり、ぽつりと色んな方が遊びに来てくれた。
扉が開く音がするたびに、
ぱあっと顔が緩み、胸が高鳴った。
どんな方だろう?
知ってる人かな、初めましての方かな。
奥にあるキッチンからひょっこり覗いては、
嬉しくてぱたぱたとお出迎えした。
いそいそとおやつプレートを用意して、
間髪入れず珈琲を淹れる。
できるだけてきぱきと両腕を動かしていても、
なぜか珈琲を淹れる間は気持ちが落ち着く。
香りに癒されながら、
はまださんの美味しい珈琲を楽しんでもらえたらいいなって、気持ちを込めた。
"お礼がしたい"との思いで用意したおやつプレートは、珈琲とセットで、たとえ完売しても赤字なお値段設定でご用意しました。
プレートを目の前にお持ちすると、
みなさん、「わぁっ」て喜んでくれて。
「美味しかったです」って。
嬉しかったなぁ。
プレートの内容から、レシピの配合、盛り付け。
完成までにたくさんの時間を費やしたけど、
ぜんぶぜんぶ、この瞬間のためなんだよなあ。
そして、一番嬉しかったのは、
私が経験した出店の中では初めて、
お客さん同士がゆるやかに言葉を交わされていた様子。
ぎおんぼうさんのお部屋がそうさせるのか、
美味しい珈琲とやさしいおやつに気持ちが緩むのか。
こういうところで出会う
全然見知らぬ誰かの ふとしたことばに
ちょっと救われたり、
未来の思わぬきっかけになったり
そういうことって、あると思うから。
ひとりでゆっくり自分を労る時間、
たまたま居合わせた誰かと、ちょっとことばを交わす時間、
どちらも過ごせてもらえて、
私は嬉しさをぎゅーっと噛み締めた。
こうして、
大切な、かけがえのない、
そして、とっても優しい時間を過ごし、
ちいさなお茶会は、
あっという間に閉会の時間を迎えた。
来てくれた全員へ、
「 またいつか。」と、
次のかけらへの祈りもこめて。
*
今回の出店に、タイトルをつけるとしたら。
「 優しい時間が流れる場所で 」
このことばが、ぴったりだと思った。
何がそんなに「優しい時間」だったのかというと、
今回私もひとりひとりすべてのお客さまとお話することができたのですが、
「いつか地元の岡山で
カフェを開きたいとおもっています。」
「それまでがんばるので、
よければ応援してください!」
思い切ってそう伝えたとき、
ほとんどの方が、
「実は、知ってます。
Instagramを読んできました。
もうすぐ、引っ越しされるんですよね。
向こうでも、頑張ってください!」
こんな言葉を返してくれた。
なかには、
このnoteの、
こんなに長くてとりとめのない文章を
読んでくれた方もいて。
・・・大切な時間を割いて?
やさしすぎる。
やさしすぎて、うれしすぎた。
こんなに、やさしいことがあっていいのか。
いや、実は、
私が卑屈すぎるだけで、
世界はこんなにもやさしさで溢れているのかもしれない。
繋がるってコワイけど、勇気がいるけれど、
実はとっても素敵なことなのかもしれない。
ずーっと自分自身と向き合い続けることも大事だけど、っていうかそれがないとまず今の立ち位置にいないけど、
人と繋がることでしか埋められない何かがある。
人と繋がることで初めて動きだす何かがある。
また私の中に、新しい風が吹いた。
そもそも、
応援してくださいと。
そして、カフェを開きたいのだと。
一年前は、
このnoteに書くことですら
見えないプレッシャーに指が止まっていたのに、
それが、口に出せるようになった。
さらに、誰かに向けて伝えることができるようになった。
そのことだけで、
私は、この一年の自分を、褒めてあげよう。
*
帰り道。
保育園へ向けて急ぐ車内で、
たまたま流れたこの曲をバックに、
橋の上から見た 広島の川に映るきらきらした建物たち。
ぎおんぼうさんへの気持ちとか、
今日会ったお客さん達への気持ちとか、
広島で出会った人々への気持ちとか、
色んなものが込み上げてきて、
気づいたら涙がでていた。
「ああ、この景色は忘れないだろうな」って思った。
そして、
またこの気持ちで景色が見えるように、
高知でも頑張ろうって思った。
(さりげなく初めて次の行き先を言ってみる)
*
大変長文になってしまいました。
このnoteも含め、
背中を押してくださった皆さん。
ぜんぶぜんぶ、糧になっています。
お読みいただいてありがとうございました。