「おまえが言うな」との付き合い方
コンサルタントという職業は、基本的に「外部のひと」です。
いくらクライアント先に、常駐しようが、沢山往訪しようが、プライベートのお付き合いしようが、5年以上一緒に仕事をしようが、
やっぱり最後は「外部のひと」です。
誤解無きよう先にお伝えしたいのは、私自身は「支援先の社員のつもり」で仕事に取り組んでいますし、その方もやりがいもあります。
さらに言うと、その方が成果が出やすいとも思っています。やっぱり行動・実行してくれるのは現場の方ですので。
一応、そんな意識で業務を行っていると、有り難くも「もうコジマさんは、こっち(クライアント)側の人間ですよ!」と、おっしゃっていただくことも多いですが、
2つの意味で、社員だと思って取り組むのと同じくらい「冷静な意識で、私は外部の人間である」と思いながら仕事をしています。
一応、これはコンサルの仕事やってみたいなー、という人に向けて、少しは役立つかな、と思って書いてみます。
あとは、普通の会社でもスタッフを抱えるリーダー的な方々には、少しは意味があるかな、と思います。
(好きなことばっかり書いてきたので、タマには真面目に)
「2つの意味」ってなに?
1つめは割と簡単なことではります。
社員のつもりで働くことは「物事を俯瞰してみなくてもよい」ということではありません。
補足ですが、経営陣は、社内や出来事を俯瞰して見ているので、社内の人間では「俯瞰が出来ない」ということではありません。
まあ「俯瞰」「俯瞰」と言うと、ちょっとかしこまっているので、私らしい表現にすると、
ある1つの出来事に入り込み過ぎないで、引いた目で、客観的にみる
この目線がない外部コンサルタントは、あんまり意味がないよな、と思っている次第です。
(まあ、そういうコンサルさんには、出会ったことはない)
そして、もう1つの意味としては、
「空気を読んでいる場合ではない時がある」
これだと思います。
空気を読まない、の意味するところ
私たちコンサルの仕事では、業種や職種を問わず、ある程度共通している所があると思うのですが、
それが「現状」→「こうあるべき」という目線です。
この表現の仕方は色々あるので…「AS IS」→「TO BE」でも、「課題認識」→「打ち手の方向性」でも、なんでもいいです。
ともかく、
空気を読まずに「こうあるべきですよね」「目指す姿はこうですよね」
これを言わなきゃいけないですし、これが言えないと外部のひと、である意味もないし、お金を頂いている意味がないと思っています。
さすがに、もう13年目のコンサルタントなので、まだまだ勉強中・修行中という意識は強いですが、この「空気を読まない行動」に躊躇はまったくありません。
空気を読まずに、あるべき論を言うこと
結果的に、外の人間があるべき論を言うと、大きくどのようなことが起きるかと言いますと、
「おまえが言うな」「何がわかるんだ」「やるのは私たち」
「本当にそれをやるべきなのか疑問だ」「いつやるんだ」
「(社内の)誰がやるんだ」「言うだけでいいよな」
と、こうなる可能性があります。
また、重ねて、
「おまえは実態を知らない」「セオリーから言うと」
「今までそれでやってきたのに、なぜ変える」
「若造になにが解るのか」「我々の業界は素人でしょ」
みたいなことだって、起きるかもしれません。
さらには。
「やってもいいけど、責任は誰がとるんだ」
「私は、その責任は取りたくないし、やりたくない」
という、所まで行くかもしれません。
自分自身も30歳までは、事業会社の社員でしたので、現場側の心理的な部分は一応は解るつもりなのですが、
コンサルタントが嫌いだ!というパターンは、こういうことにも繋がってくるように思います。
上記の「」の内容が、現場の不安と不満
正直なところ、「」の内容を、面と向かって言ってくれるくらいなら、まだ良い方なんだと思います。
断言出来るのは、こういう不安と不満を現場が感じているのに、その言葉が全く耳に届いてこないプロジェクトの場合、成果はまず出ません。
それどころか、自分が立案した戦略が動いて行きません。
で全然、進んでいく感じが見えなくて、焦ってパワープレイや、職位を武器にした強制的な動きや、現場がやってくれないという言い訳、になり、
(社員なら、自分のポジションを武器に)
(コンサルなら、経営から強制的にやらせる指示をお願いする など)
さらに現場の実行部隊と、距離が開いて、はい全部終わり。です。
じゃあ何がベストか?
上記の「」内のセリフを、言われない関係性をどう作るのかに尽きるのだと思います。
もしくは言われたとしても、それが「相談である」という関係性です。
「いつやるんだ」
「(社内の)誰がやるんだ」
みたいなことはよくあります。
基本的にみなさん忙しいものだと思っていますので、
なかなか時間が取れないんだけど「いつまでに、やれば大丈夫ですか?」
そう言ってもらえるのならば、戦略が大きく間違っていなければ、ほとんど成果につながったように思います。
また、関係性が構築出来ていれば、戦略が少し間違っていたとしても、
①「おまえは実態を知らない」
②「若造になにが解るのか」
③「我々の業界は素人でしょ」
という言葉が、
①「こういう現実があるから、この部分を同時に解決しないといけない」
②「この部分は、なかなか変えるのに苦労するけど、ここからなら出来る」
③「この業界には、こういうクセがあるので、そこも合わせて議論したい」
という言葉に変わってきます。
こうなったら、ある意味では、もう成果は見えてきたようなものです。
やっぱり最終的に「実行してくれるのは現場」ですし、
「トライ&エラー」が機能していき、戦略の微調整だってしてくれます。
何より「皆さんの自分毎化」している、ので、あとはドンドン推進するだけです。
で?関係性を作るノウハウは?
そんなものはありません。ごめんなさい。
ここまで記事を読んできて、お怒りになられるかもしれません。
よくあるnoteの記事だと、ここから有料ゾーンに入るのかも、ですが、
私には、それでお金を頂戴するような、さらにはエラそうに講釈できるようなノウハウはありません。
そもそも、相手も人間、私も人間なので、そこがコントロール出来ると思う方が間違いだし、おこがましいと思っています。
ですが、私が過去に何をやってきたのかという事実だけなら、文字にも出来るし、語ることも出来ます。
基本は相手次第だと、本当に思っていますが、私のスタンスは1つの要素ではあると思います。
まだまだ私は、弱小note書きですので、そこにリクエストやご要望があるイメージはほとんど出来ませんが、
聞いてくれる(読んでくれる)のでしたら、頑張ってお伝えします。
でも、コンサルタントとしては、結構重要なスキルなんだと思うんですけどねえ…あんまりノウハウを得るための書籍みたいなのに、出会えないと思っている、今日でした。
コジマサトシ/トナリコネクト
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