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悪夢が終わらない

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この物語は実話です。
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#野田

伝染する夢

 八月六日(土)野田

 夢の中で僕はヤクザの事務所にいた。そこがヤクザの事務所だと分かったのは僕の周りをヤクザが取り囲んでいたからだ。彼らは黒いスーツや派手な柄のシャツを着て、品のない笑みを浮かべていた。僕はイスに座らされ、後ろ手に縄で縛られていた。

 どうやら僕は監禁されているようだった。監禁され、自分の顔が元々どの位の大きさだったか分からないほど殴られている。

 なぜ自分がヤクザに監禁さ

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よみがえる悪夢

 八月十日(水)野田

 一週間前、高校時代の友人から、奴を駅前のライブハウスで見た、というメールが来たとき、僕の思考は停止した。そして、しばらく経って動きだした頭の中は、どす黒いものでいっぱいになった。

 奴らのせいで忌まわしいものになった高二の一年間。自分にとって一番大切な領域に、よりによってあのクソ野郎が入って来たことが許せなかった。バンドをやっている僕らをバカにし続け、のけ者にしていたく

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高校時代の同級生に復讐する

 八月十四日(日)野田

 夕食後から就寝までの時間に病院を抜け出し、駅前のライブハウスへ行った。本当に新井がバイトしているかを確認するためだった。

 会場はライブがこれから始まるところのようで、入口に人だかりができていた。待ち合わせしているふりをして階段を何度か行ったり来たりしていたが、いつになっても新井は現れなかった。今日は外れか。帰ろうとしたところで階段に張ってある色とりどりのチラシの中か

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復讐のことで頭がいっぱい

 八月十八日(木)野田

 どうかしているのは自分でも分かっている。何かに取り憑かれたように復讐のことばかり考えている自分が怖い。しかしトイレで、洗面台で、窓ガラスに映る右目を見ずにはいられない。そして次の瞬間には必ず、新井の顔が浮かぶ。

 やはりあの男に会って清算するしかない。決着をつけなければ、きっと何にも手がつかない。人は過去にけりをつけなければ前には進めない。俺は前に進まなくてはならない

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キツイ映画を紹介しあう

 八月三十日(火) 野田

 砂原君と人間のエゴについて描いた映画の話で盛り上がった。僕は「ドッグヴィル」と「セブン」を、砂原君は「es」という映画をそれぞれ挙げて議論に望んだ。「セブン」は二人とも見ていたが、「ドッグヴィル」と「es」についてお互い見たことがなかったので、ストーリーを説明しながら感想を交互に述べた。話し終わると砂原君は「きついね」と言った。僕も同感だった。