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#野田
高校時代の同級生に復讐する
八月十四日(日)野田
夕食後から就寝までの時間に病院を抜け出し、駅前のライブハウスへ行った。本当に新井がバイトしているかを確認するためだった。
会場はライブがこれから始まるところのようで、入口に人だかりができていた。待ち合わせしているふりをして階段を何度か行ったり来たりしていたが、いつになっても新井は現れなかった。今日は外れか。帰ろうとしたところで階段に張ってある色とりどりのチラシの中か
復讐のことで頭がいっぱい
八月十八日(木)野田
どうかしているのは自分でも分かっている。何かに取り憑かれたように復讐のことばかり考えている自分が怖い。しかしトイレで、洗面台で、窓ガラスに映る右目を見ずにはいられない。そして次の瞬間には必ず、新井の顔が浮かぶ。
やはりあの男に会って清算するしかない。決着をつけなければ、きっと何にも手がつかない。人は過去にけりをつけなければ前には進めない。俺は前に進まなくてはならない
キツイ映画を紹介しあう
八月三十日(火) 野田
砂原君と人間のエゴについて描いた映画の話で盛り上がった。僕は「ドッグヴィル」と「セブン」を、砂原君は「es」という映画をそれぞれ挙げて議論に望んだ。「セブン」は二人とも見ていたが、「ドッグヴィル」と「es」についてお互い見たことがなかったので、ストーリーを説明しながら感想を交互に述べた。話し終わると砂原君は「きついね」と言った。僕も同感だった。