ノリと覚悟が高い買い物を可能にするのです。
昨日の記事では、専門家の店員さんの話から学びを得ながら、購入する登山靴を選定した話を書いた。
実際には登山靴以外にもお目当ての品物があったので、引き続きその店員さんに「登山リュック」についても様々な解説をしていただき、こちらについても選定を無事に済ませた。
残る登山用品三種の神器の1つは「レインウェア」である。
今回訪れた店舗は広すぎて、レインウェアについては登山靴や登山リュックが並ぶフロアとは別の建物の中にあったため、これらを持ったまま移動する必要があった。
未会計のまま自動ドアを出ようとすると、服飾系の店舗の自動ドアの両サイドによく見られる万引き防止用ブザーが鳴ってしまうので、店員さんに商品を持ってもらって移動した(初めてこのブザーが鳴るのを聞いた。本当に鳴るんだ、と思ったが、心の準備ができていたからか思いのほか音は小さかった。)。
レインウェアコーナーに案内された後は、これまで案内してくれた店員さんから別の店員さんにバトンタッチし、各種レインウェアについてこれまた丁寧に説明してくれた。
レインウェア用の素材として最も有名なのが、「ゴアテックス」だろう。外からの雨は中に通さないが、内側の汗や湿気は外に逃がすことができる。これは本当に性能がいいらしいから、皆が口を揃えておススメしているようだ(開発者は開発者冥利に尽きるだろう)。
ただ、当然のことながら性能の良いゴアテックス製のレインウェアはかなり値が張るのも事実だ。その分、少々性能は落ちるがリーズナブルなポリウレタン製のレインウェアの取り扱いもあるようだ。
私は科学的な目線で色々なことが気になって、素材についてや耐久性に関わる劣化の原因など、色々なことを聞いて店員さんに質問攻めしてしまったが、むしろ嬉々としてそれに答えてくれた店員さんに感謝だ。
しかし、今回の私の登山のテーマであるところの「センス・オブ・ワンダー」を実践するためには、一定のコストをかけなければならない。だから、せめてもの抵抗として、トップスについてはゴアテックス製を、ボトムスについては少々リーズナブルなポリウレタン製の物を選定することにした。
店員さんの説明を参考にいくつかの種類を試着し、購入対象品を決めてレジに向かった。
さて、有名アウトドアブランドで登山用品の三種の神器である「登山靴」「登山リュック」「レインウェア」を揃えた場合、その合計金額は一体いくらになるのだろう?
ドキドキしながらレジに向かって出てきた数字を見て私は驚愕した。私にとっては、ここには書くのをやめておこうと思う程度の高額になっていた。
これを私は買うのか?「センス・オブ・ワンダー」について本気で取り組むために、これだけのコストを払って登山に行くのか?
そう思って一瞬ためらったが、「いや、ここで迷ってはいけない、大事なのはノリと覚悟だ」と腹を括って、その場で一括で支払ってしまった。
支払い自体はQRコード決済で行ったから、現金支払いの場合よりも出費感が薄れているのは間違いない。
しかし、レシートを受け取ったとき、そこにハッキリと印字された数字を見て、若干背筋が凍った。
商品を受け取り、過去にこれまで感じたことのないようなドキドキを抱えながら、店舗を後にしたのだった。