レンタル品には頼りたくなかったのです。
この夏に予定している、富士山を含む数回の登山計画に備えて、登山グッズを手配しているところだ。
昨今の登山ブームもあって、最近は登山用品のレンタルも充実しているらしく、特に富士登山の場合は必要物品をセットにしたリーズナブル価格のレンタルサービスもあるようで、比較的初心者に優しい世界のようだ。
しかし私は、今回の登山でそれを素直に利用することに少し抵抗しようと考えた。
それは、今回の私の登山計画にはテーマがあるからだ。
その名も「センス・オブ・ワンダー」である。
ただのお楽しみ登山であるわけではなく、自らの五感をいつも以上に意識的に使うことによって、私にとって人間的に欠けている要素である「感性」の獲得を目指す、意義深い登山にしていきたいという思いがある。
だから、自分の身をレンタル品で固めただけのご都合主義登山ではなく、かけるべきところにはしっかりとコストをかけて(身銭を切って)取り組む本気度が必要だと考えたのだ。
(念のためだが、決してレンタル品を利用する人のことを悪く言っているのではない。今回の私の登山の目的に照らしては、そのスタンスで取り組んでしまうと、得られるものも得られなくなってしまうのではないか、と思っただけだ。)
そこで、自分なりに登山への必要物品をいろいろと調査し、まずは登山時の三種の神器と呼ばれる「登山靴」「登山リュック」「レインウェア」を手配することにした。
自宅に近いアウトドア用品ショップを探したところ、有名ブランドのモンベルの店舗が見つかったので、休日に時間をつくって行ってみることにした。
訪れた店舗は、1フロアの面積が2つの領域に分かれていて、それぞれがテニスコート2面分ほどの広さがあり、しかもそのフロアそれぞれに2階部分が存在したので、かなり大規模で品揃えの豊富な店舗なのだろうということがわかった。
実際に店舗に行って本気で選ぼうとすると、とんでもない種類のグッズたちがあるから、それらを眺めているだけでも結構新鮮な気持ちになれて面白かった。
結果的にそれなりの出費にはなってしまったのだが、きちんとコストをかけて主体的に取り組むことによって、きっと何らかの価値を得ることができると信じて行ってこようと思う。