Simple is the best 相手に伝わる言葉の選び方
自分の職場では、毎年小学生の校外学習や中学校の職場体験の対象となっています。(社会インフラ関係なので)
昨年はコロナ騒動や館内施設工事の影響で、学生は全面受け入れ中止が続いていました。
先日緊急事態宣言解除のタイミングもあってか、久しぶりに学生を前にしての仕事内容の説明担当を受け持つことになりました。
その時の自分の中での気付きを、幾つか書き留めておこうと思います。
専門知識を 一般向けに説明することは難しい
例年の職場体験なら予定に余裕を持たせながらの決行なのですが、今回は諸事情により、1週間前に突然決まった背景があります
学生への仕事内容説明は、これまで幾度と経験してきたことですが、今回は学生にとってやや分かりにくいプレゼンテーションだったかなと総括しています。
自身の言葉がイマイチ相手に伝わっていないという感覚は、子供たちの受け答えを見ていると意外と分かるものです。
子供たちは純粋なので興味があることや関心の強い対象には、受け答えの反応も早く、感情が表面に出てきやすい傾向があります。
端から見ていても、とにかく前向きな気持ちがこっちに伝わってくるのですよね。
勿論、性格や緊張度合いもあるので一概に判断するのはなかなかな難しいのですが、今回やって来た学生さんは、時々熱量が感じられましたが、基本冷静な受け答えで学習されていました。
「冷静」という表現は見方によっては勉強熱心と言えなくも無いのですが、自分としてはやはり相手を前のめりにさせるぐらいの発信ができなければと考えています。
具体的には説明を聞いたり書いたりするだけの視聴感覚に頼り過ぎるのではなく、体感覚に沿った内容ももう少し盛り込みながらの、変化も付け加えるべきだったかなと反省しています。
これは講師を始めとした人に教えることを生業にしている方にすれば当たり前の基本事項なのかもしれません。
しかし普段から初心者と接することに慣れていない人からすると、いざその場になると見落とすポイントも多いのです。
特に自分の立場が中間管理職ということもあるのですが、大人(部下)に対して何気無く使っている専門用語や言い回しなどは、一日体験者からしてみればハテナ?ですからね。
相手を言葉を伝える時に大事にすべきことは、やはり分かりやすさです。
つい、私たちが普段の日常会話内でも頻繁に使っている専門用語やカタカナ言葉。
自分と大きく視点が異なる人と(今回の自分の場合は学生さん)対峙する時は、特に気を配るべき要点だと改めて感じさせられました。
相手に伝わるものとは 洗練された言葉
20世紀最高の物理学者の評されるアルベルト・アインシュタインはこのような言葉を残しています。
If you can’t explain it to a six year old, you don’t understand it yourself.
6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない
他にもこんな逸話があります。
アインシュタインといえばやはり「相対性理論」が頭に浮かぶ人も多いと思います。
しかし、物理学のない人には理解しがい世界です。まして、子供相手では至難の業。しかし、アインシュタインは子供から質問を受けた際に、このような返しを行っています。
「もし君が、きれいな女の子と一時間並んで坐っていたとすれば、その一時間は一分のように思えるでしょう。しかし、もし彼が熱いストーブのそばに一分間坐っていたら、その一分間は一時間のように感じるでしょう。これが相対性です。」
参考 池谷裕二著「受験脳の作り方」
本当に優秀な人というのは、物事の仕組みを難しい言葉を用いて着飾るのではなく、簡単な言葉でシンプルを大事さにして、相手に伝わることも心掛けている納得のエピソードだと感じました。
こちらは、私がフォローさせて頂いている方の投稿から
・シンプルで分かりやすい言葉は強い
・分かりやすいことは、表現の豊かさに勝ることがある
・わかりやすさは、カッコ良さよりも大事なことがある
出版社主催の新人賞応募に対しての選考委員からのコメントを題材にした記事ですが、これぞ伝え方の本質を説いた「スマートかつシンプル」な表現だと感じました。
逆の見方として、自己顕示欲が強い人によく見られる傾向として、敢えて難しい言葉を使って己の知識や情報量を見せつけようとするタイプ。あなたの周りにいないでしょうか?
伝える本人だけが分かっていて、聞き手の周人は全て置き去りにする独りよがりの説明会。互いの情熱温度の差が、半端ない!
やはり「人の振り見て我が振り直せ」の言葉通り、有能な人は佇まいだけでなく、発する言葉もシンプルかつスマート。
つまり相手への伝え方とは己の中にある着飾らない言葉を意識すること、等身大の自分を表すことが何より肝要なんだと思います。
ここまでご愛読ありがとうございました。