日本人の子どもにクラシック音楽を学ばせると良いこと
ドイツやロシアにいた頃良く思ったのは
なぜ西洋の伝統音楽をアジア人の自分達がある意味当然のように小学校で学んだり、多くの人がピアノを習ったりするんだろう
ということだった。
日本の伝統芸術で外国で当然のように教育されるようなものはないし、なんなんだろう。
ドイツで聞かれた
「なんでトランペットは吹けるのに日本の楽器は一個もできないの?」ということ
確かにそもそも日本人なのになぜ西洋の伝統的な音楽をありがたがって自分の国の文化を蔑ろにしているのだろうと思った
学校でリコーダーも鍵盤ハーモニカも習ったけど邦楽器は1つもやらなかったし、長唄などの日本の伝統的な音楽は勉強しなかった
外国に行って1番引かれるのは自国の文化を知らないということで、これは1番教養のない人間だと思われる。特にヨーロッパの文化を学びにきている人間が自国の文化は知らないとは馬鹿げているという感じになる
ただ日本の伝統芸術は現代の価値観とは大きく乖離しているのだから、子どもたちに自発的に興味を持たせるのは難しい。だからこそ学校で教えた方がいい。学校で習ったことは真剣に聞いていなくてもなんとなくは覚えているもので、ほとんどの人がなんとなく知っていることは大事だ。
急に外国人に疑問を投げかけられても、記憶を辿れば答えられる
クラシック音楽で学べること
色んなことを考えたわけだが、結果的に思ったことはアジア人がクラシック音楽を知ることや学ぶことは特に子どもにとってとても意味があるということ。
音楽は感情そのものを直接感じることができ、知ることができる。
ドイツがどんなところで、ドイツ人がどんな価値観を持っているのかを全く知らなくても、ドイツ人の作った音楽を聴いて自分が演奏するとどんな文化を持っているのかがわかるようになる。
全く言語のわからない国の哲学や美意識を感じ取ることができるのは音楽だけ。
器楽を勉強することで、様々な音楽に触れることができるようになる。そうすると他の道から学ぶのが困難なことも感じられるようになる。
結局ヨーロッパの楽器と楽譜が最も幅広い表現ができるように発達しているから、これを学ぶのが1番の近道。
フランス語がわからなくてもフランス人の価値観がわかり、さらに様々な時代の美意識も知ることができる。
それを知って何になる、役に立たない
と言う人もいるかもしれないが教養とはそういうもので、それが直接どう役立っていくのかは後からついてくる話。
様々な国の文化や価値観に子どもの頃から触れて大人になるのと、全く触れないのとどちらの方が良いかというだけ。
音楽の良いところは外国に住まずともそれを学べるということ。
ただそれを学ぶには良い教師を見つけるのが最も重要ということ。