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お気に入りアルゴリズムから抜け出す|ジェームス・ディーン

配信で映画を観ようとすると、お気に入りアルゴリズムから抜け出せない。そんなとき誰かに映画を推薦して欲しいと思う。
今そんな気分のあなたに、お薦め3作を紹介します。 
同世代の映画好きにはベタ過ぎるけど、仕方ない。僕はやっぱりジェームス・ディーン。

エデンの東(1955年/エリア・カザン監督)

「一番好きな映画は?」に45年間一貫してこの映画を挙げてきた。これからも変わるはずがない。
僕は、思春期の父親への苛立ちを簡単に言い表せないけど、その心のどこかツボのような所のスイッチを押されたのがこの映画。映画館で震えるほど泣いてしまった。
スタインベックの原作も読んだ。大人になって、映画冒頭シーンの雲の影が流れるキャベツ畑を見にサリナス(カリフォルニア州)まで出かけた。それぐらい感化された。

理由なき反抗(1955年/ニコラス・レイ監督)

知り合ってまもないガールフレンドと年下の少年。3人で逃げ込んだ夜のプラネタリウムで拳銃を構えた警察官に包囲される。
崖に向かって車を走らせ度胸を試すチキンレース。
行き場のない怒りを抱えた若者たちの繊細さと暴力を描いた、いわゆる青春ものパターンの原点と言える傑作。
中学生の僕は、白Tシャツに赤いジャンパー、ジーンズにブーツという恰好を真似た。

ジャイアンツ(1956年/ジョージ・スティーヴンス監督)

J・ディーン演じるジェットは、牧場で牛や馬の世話をする若いカウボーイ。ロック・ハドソン演じる牧場のオーナーの妻(エリザベス・テイラー)に密かな恋心を抱く。
年月は過ぎ、石油王に成りあがったジェットと牧場オーナーだった男が対決する。
人種差別問題もテーマにしたスケールの大きな大河ドラマ。風格もそうだし、主役は間違いなくロック・ハドソン。
だけど、若いカウボーイと醜態をさらした30年後を演じきったJ・ディーンが焼き付いている。


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