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「グラディエーター」

20年前に公開された時は、ラッセル・クロウの剣闘士ものぐらいに思っていて見る機会がなかった。
ローマ史を読むようになり、去年ローマの史跡を歩いてコロッセオにも行ったので「観たいな」と思うようになった。

3時間近くにもなる映画をどうしても観たくなったのは、ラッセル・クロウ演じる将軍が、妻と子を殺されて復讐を誓う相手、要するに悪役設定の人物がコモドゥスだと知ったから。
第17代ローマ皇帝コモドゥスは、先代の皇帝アウレリウスの息子。実の父子の継承は、英雄ユリウス・カエサル、初代皇帝アウグストスの帝政ローマ史上初めてだったはず。
それまでは実力を認め、市民からも支持されると信じた人物を側近にし養子縁組などで受け継いできた。
しかも先代のアウレリウスは、哲学者でもあり、体調を崩すまで勉強をするような人で、皇位継承にのみ汚点を残したとも言われている。

やんちゃ皇帝コモドゥス役は、リヴァー・フェニックスの弟ホアキン・フェニックス。奴隷の身分になっても周囲から力と人間性を認められてリーダーとして存在する元将軍のラッセル・クロウへの嫉妬を好演し、この映画のポイントになっていた。

まさに手に汗握るとコロッセオの闘いのシーン。奴隷まで落ちてなお復讐を誓う元将軍がかっこいい。
でもアカデミー作品賞を取った理由をシナリオに見出すなら、「亡き先代を継いだ息子の苦悩」をしっかり描けたことでドラマが厚くなっていた。

面白い映画だった

2000年公開 アメリカ映画

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