元旦の朝、僕は標高4,130mアンナプルナBCに立っていた
元日の朝、僕は8,000メートル級の山々見上げる場所、標高4,130mの「アンナプルナベースキャンプ」に立っていた。
ヘリコプターから、堅く締まった雪の上に普段履きスニーカーで降りた。
キンとした冷気が間違いなく薄かった。
ヘリは、標高1,600mの滞在したホテルのヘリポートから飛び立ち20分足らずのフライト。高山病にならないよう15分程度の滞在制限とされた。
僕は、ずっと地に足が付かないような高揚感の中、時間感覚を失いフワフワ気分で歩きまわったのだった。
着陸地点の近くにあった「NAMASTE ANNAPURNA BASE CAMP(A.B.C 4130Mtrs)」と書かれた看板には、登山者たちが結び付けていった国旗。
濃紺の空、朝の太陽が雪面を強烈に輝かせていた。
まさかの「アンナプルナBC」行き。
僕の目的は、超絶景ホテルで古い友人と再会すること。それ以外のプランは一切なかった。
12月30日に、カトマンズからプロペラ機でポカラに着き、迎えてもらった車で街の喧噪を抜けてペワ湖畔を通って高台のケーブルカー下駅へ。愛知万博で使われたというキャビンに乗って10分ぐらいでサランコットという標高約1600mの村に着いた。
ケーブルカーの降り場からは電動カートで目的のホテルまで数分。
そして、ホテルのテラスに席を作ってくれた友人、長い間会っていなかったが登山家でもある彼から、目前に広がったヒマラヤのパノラマについて解説してもらった。
三角に尖った頂は、聖なる山とされて登頂が禁じられてきたマチャプチャレ(6,993M)。その時は理解できなかったのは、主役のような佇まいのマチャプチャレより、左右の山の頂の方が高いということ。
アンナプルナ1(8,091M)、アンナプルナSOUTH(7,219M)、アンナプルナ3(7,555M)。
左端にダウラギリ(8,167M)、ずっと右手にはマナスル(8,163M)。
そして、幸運なことに元旦の朝に6人乗りのヘリに乗せてもらえることになったのだった。
ヘリは、マチャプチャレの頂の左手奥へ侵入、谷間(専門家なら別の言い方があるかもしれない)を進み、アンナプルナ1(8,091M)の裏側に回って「アンナプルナベースキャンプ」に着いた。
友人は「4,000m地点から8,000mを見上げる場所など、世界にはここしかないよ」と言うが、僕にはその距離感を実感として捉えることはできない。
でも、スゴイところに行ってきたこと、体験したことのない感動だったこと。ここに書き表し切れない。
Japanese concept of Wabi Sabi
僕が泊まったのは「ホテル アンナプルナ ビュー サランコット」。アジア、ヨーロッパなど世界中から超絶景を求めて旅好き山好きがやってくる。
国内便の機内誌でたまたまここの取材記事が載っていた。興味深いくだりがあったのでコピーしてみた。