院長の小言 vol.20
サバンナ高橋(芸人)並みにお腹の弱い院長です。
テスト前などよくお腹を壊しては香織先生に鼻で笑われていました(涙)
これは緊張性の腹痛ですが、夏といえば食中毒の季節でもあります。
テスト前の腹痛とはレベルが違いますのでこれからの時期、注意が必要です。
夏季は湿度と気温が上昇し、多くの細菌が増殖しやすい環境になるため、特に細菌性の食中毒に注意が必要です。
また、アジなどの赤身魚が旬を迎え、刺身で食されることも多いため、アニサキスによる食中毒が多くなる要因として考えられます。
一般に冬季に発生しやすいとされるノロウイルスですが、夏でも5位にランクインしていることから年間を通して注意が必要なことがうかがえます。
厚生労働省が発表している食中毒の発生状況をデータを基に見てみると、
1位:寄生虫-アニサキス
2位:細菌-カンピロバクター・ジェジュニ/コリ
3位:細菌-サルモネラ属菌
4位:細菌-ぶどう球菌
5位:ウイルス-ノロウイルス
【アニサキス】
魚介類の保管時や下処理の不備が食中毒を引き起こす原因とされます。家庭内で、お刺身などのように非加熱または十分に加熱がされない状態で提供・喫食することが、アニサキスでの食中毒事故が多い理由としてあげられます。
【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
【サルモネラ属菌】
サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。
【ぶどう球菌】
ぶどう球菌による食中毒事故の多くは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によるものです。
黄色ブドウ球菌は、食品中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくります。この毒素を食品と一緒に喫食することにより食中毒が起こります。黄色ブドウ球菌は加熱調理で十分に殺菌が可能ですが、毒素は100℃20分の加熱でも分解されませんので注意が必要です。
【ノロウイルス】
ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。
食中毒予防の三原則「つけない」「ふやさない」「やっつける」
食中毒予防の三原則は、一般に細菌による食中毒(いわゆる細菌性食中毒)予防のために用いられます。
夏に多い食中毒事故の2位カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、3位サルモネラ菌、4位ぶどう球菌に有効な対策となります。
「つけない」
・しっかりと手洗いする
・使い捨て手袋を活用する
・調理器具を使い分ける 等
「ふやさない」
・食品は原材料から調理後、搬送中を通じて、できる限り低温管理する
・加熱調理後は速やかに冷却する 等
「やっつける」
・食材は中心部まで十分に加熱する
・塩素系漂白剤やアルコールで器具を洗浄・殺菌する 等
夏場はどうしても湿度も相まって菌の増殖などが急速に増えていきます。
しっかりと予防しながら夏を乗り切りましょう。
自慢ではありませんが香織先生の台所の鉄壁のガードは素晴らしく食中毒になった経験がありません。
感謝。感謝です!