書くを始めたきっかけ、初回のお稽古
「自分のローマ字を整える」というお稽古。
そのお稽古の説明には、
お道具を使いつつも、ルールもテクニックにも囚われない、
自分にしっくりする文字を一緒に探すお稽古です、と。
初回のお稽古の日、その空間には、
美しいお道具とB6サイズの美しい紙が積まれていた。
何が始まるのかというワクワクと、
初対面の方との初めまして、の緊張感の中、お稽古が始まった。
簡単な自己紹介をして。
その時に話したことは、あまりはっきり覚えてないけど、
もともと「字を書く」ことが好きではあること、
近所で見つけてふらりと来たこと、
そんなことを話した記憶がある。
最初にお道具の説明があり、
自分で好きなインクを選び、ニブやペン軸についてお話を聞く。
そして、まずは何か書いてみましょ、と軽やかに、でも静かに始まった。
初回のお稽古で、、講師のAさんが話した
「書いたことないのない文字は書けない、それだけなんです」
それが、とても、とても印象に残っている。
当たり前と言えば、当たり前のこと。
そっか、
書きたい文字があれば、ただ書いてみたらいい、それだけなのかと。
自分が書きたい文字、自分がしっくりする文字を書く。
その文字が所謂世間の美文字とか、整っているとか、そういうことは別で、
しっくりする、その感じを味わう。
それを探していく、そんなお稽古なんだと。
文字に振り回されず、自分で自分の文字は選ぶことができる、と気づいたお稽古初回。
アルファベットを整える旅は、初回から、
アルファベットを整える以上のお稽古になりつつあった。