#053 毎日5分勉強したら英語できるようになりますか？

世の中には『毎日教』の人がいる。

そう感じた話。

英語の講師を長くやっていて
初心者ほど聞いてくるのがこのセリフ。

「毎日5分やったら英語できるようになりますか？」

野中妻の英語｜Tomomi Nonaka/ 野中友美｜note

野中妻は
英語の本はこれまで死ぬほど読んでいますし、
英語学習本も図書館で借りて読んだものも含めたら200冊くらいは読みました。

野中妻の英語資格はこちら

毎日教の信者の方がどの本でこのセリフに出会うのか？
英語初心者相手に、誰がこの考えを吹き込んでいるか知らない。

ただ、「毎日5分でもいいから継続しよう」
と言った呼びかけは、私もどこかで耳にしたことがある。

さて、
私は以前の記事で英語学習には「客観性」が大切だと書いた。

↑ こちらの記事の3つ目の特徴。客観性の話。

もし、あなたが英語初心者だとして、
客観性がない場合こうなる。

「毎日5分でもいいって書いてある。よし、本当だな？5分測ってみるぞ」
「5分終わった！毎日すれば5分でいいって書いてあるから今日は終わり！」
（1ヶ月経つ）
「毎日5分やってるけど、英語喋れないじゃないか？」
「英語なんてできるようにならねーよ。」
「やっぱ、英語は才能だよな・・・」

どうでしょうか？
ありえないと思いませんか？

でも、客観性がある人は違います。
「毎日5分でもいいって書いてある。本当かな？そんなはずないと思うけど」
「とりあえず5分やってみよう」
「5分ってすぐ経つな。もう少し勉強したいな」
「まずは継続させることを目的にして毎日5分以上の勉強をやってみよう」
（1ヶ月経つ）
「継続って大切だなあ。毎日5分でもいいから英語に触れてきた。忙しい日は本当に5分になったけど、休みの日は3時間は確保できた。平日も平均2時間は勉強できている」
「1ヶ月やっても、まだ少ししかできるようになってないな、英語は時間かかるな、でも継続すれば徐々に身につきそう」

同じ「毎日5分」の捉え方が変わってきます。
客観性のある人の場合は、間違っても
毎日5分を盲信しないし、毎日5分は継続が大切ということを伝えるためのスローガンだとわかります。

もし、客観性が持てない、という場合は
他人に置き換えてください。

目の前に中国人がいます。（日本人以外なら国籍は何でもOK)
彼はいいます。
「日本語勉強したい。毎日5分で身に付きますか？」

どう思いますか？

私は正直、相手にしたくないです。

今までの人生で
毎日5分で身についたものがあるのですか？
私はない。

毎日5分で身につくのであれば、
皆英語講師です。
多言語もマスターできます。

あくまで
継続の大切さを解いているキャッチフレーズだと判断すべきです。
「10000時間勉強すれば英語できます」
そんなタイトルの本が売れないので、

「毎日5分でペラペラ」
となってしまうのです。

ダイエット業界と英語業界は
「楽して痩せたい」「楽して英語マスターしたい」
この人たちをターゲットにすると儲かるので
「毎日5分だけ」のようなセールスになっているだけです。

例外として、「毎日5分」が
まあまあ許される世界はあります。

それは
「英語を習得した後」です。
20代や30代の頃は
1日10時間以上英語を勉強していたこともあった野中妻ですが
英語上級者になった後は
英語を離れていることが多い。

特に、この1年はサボっています。
単語力を中心に英語力が落ちているのは自覚していますが
リスニングやリーディングはさほど落ちていません。

一度習得すれば、
毎日5分でも、さほど力は落ちないと言えます。
（もちろん、上級者になった後も、毎日数時間勉強できるのが理想ではあるけど）

ただ、英語を習得した人に「毎日5分」英語に触れろ、というのは
余計なお世話というもの。
「毎日5分」の真の意味を、上級者ならわかっています。

まとめ

毎日5分やっていても英語は身につきません。
やるかやらないかで言えば、マシかもしれませんが、
結果につながる行為ではありません。

継続は大切です。

結局量なので、
毎日5分を７日間やるのと。
毎日2時間を５日間やって、2日休むのと。
後者の方が英語力が身につきます。

理想は数時間毎日やることです。
（特に初心者の頃は、一気に時間をかけて欲しい）

当たり前の事実を直視して、正当な時間をかければ英語は身につきます。
才能の話は当分関係ないので、まずは時間をかけることです。

面白くもなんともない話ですが
現実ってそんなもの。

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記事は辛口ですが、野中妻、普通の人です。