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保守と左派が入れ替わってる

保守と左派がいつの間にか入れ替わってる…

19世紀
保守=パターナリズム 保護貿易
  道徳 労働者保護 ノブレス・オブリージュ
リベラル=自由 功利主義 自由貿易

いま
保守=自由主義 功利主義 
   グローバリズム/自由貿易
左翼=労働者保護 パターナリズム 福祉国家


サッチャーやブッシュが信奉した保守筆頭の社会思想家ハイエクが
著書「自由の条件」で
私は保守ではない」って言ってて
「19世紀の保守は自由主義に懐疑的であった。むしろ社会主義に近かった」って

えええ?
そうだっけ?
そう言えば
アダムスミスも自由貿易(グローバリズム)に猛反対していたの知ってますか?

コンサバ・ファッション等で略語でも知られる「保守的」コンサーバティブという語。政治的には英国では保守党と呼ばれ、レイバー(労働党)と共に2大政党

地下鉄でコンサーバティブは新聞タイムズを読み「シティ」駅で降り…
左派のロンドン・スクール・オブ^_^・エコノミクス校内でタイムズなんて読むと阪神の客席で巨人を応援するようなもの。左派レイバーはガーディアン紙!右派の思想家ハイエクって結構おもろいこと言ってるでなんて言えない雰囲気が校内で漂ってた。

ちょっと考えてみれば

19世紀のイギリスの保守主義
例えば「衣装哲学」で有名なトーマス・カーライルやジョン・ラスキン、「老水夫の歌」という美しい詩を書いた思想家コールリッジなど19世紀の保守の思想家と目される人たちも

当時のイギリスに広まっていた
市場原理主義、あるいは 自由貿易
功利主義( Utilitarianism)
個人主義を批判して
自由や営利に傾きがちな傾向を節度あるものに戻し
道徳や宗教心を回復し
政府の介入による保護貿易、
社会による労働者や弱者の保護を訴えたりしていた。

エリートによる経済や政治統治の復権
=ノブレス・オブリージュによるパターナリスティックな統治を望んでいた。今日の分類でいえば、新自由主義よりもむしろ社会主義に近かったのです。

ベンジャミン・ディズレーリという、保守党の有名な首相がいました。産業革命によって格差が拡大した結果、イギリスという国が「二つの国民( Two Nations)」富める者と貧しい者とに分裂し全く別の国民のようになってしまったと「シビル( Sybil)」というネーションの一体性の喪失を憂う小説を書いています。

しかし…今日、格差の拡大を懸念して労働者の保護を訴えるのは左翼の人たちです。これは19世紀の保守の思想。ケインズも左派の代表格的思想家として新自由主義者隆盛期にはマイノリティとされていましたが、実は彼はマジョリティ=19世紀の保守だったのです。

スコットランドのアダム・スミスだって同じです。彼も自由貿易に反対、保護貿易を唱え、何事にも節度と道徳感情を重んじることを説いていたのですが、自由貿易、自由競争の代表者のようにされています。

ソシュールは語の意味が「一旦、それが言語的な共同体で確立するやいなや、話し手はそれを変える力を持たない」と言っている。我々の誰かがいま

保守=政府介入 労働者保護 保護貿易
左派=自由 リベラル 自由貿易論

を意味し・されるものとして語ったならば大混乱が起きる。意味するものとされるもの。交換するものとされるもの。この2者「間」の不平等を平等としている体系性の指摘。これがマルクスであり、日本では柄谷行人はがこの文脈で議論を展開している。「あの人スマートやねぇ」と道ですれ違っただけの女性を指差し「細いねぇ」を意味したくとも…同じ文化を共有しない人にはわからないだろう。

言語ゲームは怖い!
いつのまにかルールが改変されてて
正しいが変わってる。
  
出典/参考 「グローバリズムが世界を滅ぼす」

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